私が読んだのは原著第5版、日本語版の発売は2011年なので、その後だいぶ内容が変わっているかもしれません。といっても、投資に対する態度や考え方を科学的に指南した本なので、この本の内容自体がマーケットの動きと連動して変わってたら、そもそもこの本の意義がわからなくなっちゃうのですが。
これもまた良著でしたよ。小説も読むし旅行ガイドも眺めるけど、良さそうな経済本があれば片っ端から読みます。こういう基本を説く本って、いろんな投資の本を読み漁ったあとでやっと出会えるのは不思議・・・いや不思議じゃないな。最初は多分、新規上場株やバリュー株のデイトレードの指南本や、手っ取り早く「今買うべき株」を教えてくれそうな本に飛びついたりしてました。私みたいな投資初心者ってきっと多いと思います。一度は上がったり下がったり(高騰したり暴落したり)に一喜一憂しないと、安定運用に意識がいかないのかもしれません。私も、なんとなく今はわりと安定してるように感じてるけど、その前にはバカみたいな失敗が積み上がってるんですよね・・・。ちっちゃい金額でたくさんやらかしたことからしか、私の場合は学べなかった気がします。
10年前は「機関投資家って何?」と証券会社の友達に質問してバカ扱いされた私もその後、ファイナンシャルプランナーの勉強もしたし、手堅い不動産と確実なドル建て保険、金や外国株、S&P500投資信託や債券など、金額は小さいけどチマチマと分散して老後に備えています。(※現時点で日本株と暗号資産ではずっとマイナスという有様だけど)特に不動産ってのは、金額が小さくても「ベーシックインカム」くらいにはなるので、早期退職を考える人には向いてるアイテムじゃないかという気がします。思い返してみると、マンション借りるんじゃなくて欲しいなぁと最初に思ったのは、IT企業の派遣社員だった頃、同じ派遣のおじさんが実はITバブルで儲けてビルをいくつも持っていると聞いたときだった・・・。派遣の仕事をしてるのは趣味みたいなものだって。そういう生き方がしたいとすっごく思ったのでした。
ベストなのは日本の場合、しっかりした企業に新卒から定年まで勤めて、たくさん退職金をもらって、年金もたっぷりもらって、一生いちどもお金の心配をしないこと、かもしれない。私はその辺が薄い外資系企業に就職して、何度か転職もしたので、早くから危機感を持ったかもしれません。
この本は後半で、教育と健康に対する投資も長期的に重要と書いています。教育に対する投資も、社会人になって以降、いろんな通信講座や通学講座にお金や時間を使ってきました。通学の場合は最後まで続けたけど、通信は修了できた確率が実は半分くらいかもしれない。本だけ買って辞めたものなんて10は下らない。でも全部やってよかったと思ってます。そのうちいくつかは、今も仕事につながっています。
ずっと考えてるのが、宅建の資格を取るかどうか。不動産マーケットって企業と個人の知識差が巨大だし、売りたい人と買いたい人のマッチングや不動産再生とかがまだ全然進んでないから、まだまだ新ビジネスが必要だと思うんだよな・・・。でも「働きすぎない。余裕第一」の半隠居の身なので、本業に無理が出ない範囲内で考えてみるかな・・・。
※たまたまこの感想を読んだ人への注意。この本に書かれていることはアメリカ国内の話で、日本を含むほかの国には必ずしも適用できません。てことは日本でアメリカ株やその他外国株を運用する場合、為替リスクという大きなリスクファクターもかかってくるので、だいぶ勉強や覚悟が必要ですね・・・。