トレイシー・クーパー「傷つきやすいのに刺激を求める人たち」930冊目

この本に書かれているHSS型とかHSPという類型のことはことはよくわからないけど、タイトルの「傷つきやすいのに刺激を求める人」になんとなく見に覚えがあって読んでみた。自分では用心深いほうだと思うけど、強度を確かめながら草の橋でも渡ってしまうし、Curiosity killed a catというのは自分のことだといつも思う。傍から見るとタフで頑健に見えるけど長欠児童だった頃から心身ともに虚弱なので、期待外れとかやる気がないと言われることが多い。要はとても生きづらい。周囲に合わせなくていい半隠居になって、これで楽になったと思いきや、すぐ退屈しては自分のふがいなさにがっかりするのはあまり変わらない。いろんな意味でこの本に書かれている型に合致している部分が多いように思う。

人をひとりひとりよく観察してさまざまな面を見つけて大切にしたいので、大勢を画一的に扱うことも扱われることも辛い。1つの仕事に全精力を傾け続けることが苦手で、ゴールが見えやすい短期プロジェクトになら燃える。共感が強すぎて職場の悪いムードを自分が背負ってしまう。自分の可能性を最大限に発揮しなければならないと悩む。

・・・こういう人格分類を試みる研究はたくさんあって、どれも自分に合うようで、どれも合わないようにも感じられるものだ。だからこの本におぼれて救われることもしたくないけど、さまざまな人が生きづらさで悩み続けていて、それぞれ自力で少しでも楽に楽しく暮らせるようにがんばってる、そういう工夫を見せてもらうだけでちょっと自分も良かったと思える。

私は今までほとんどやってこなかったスポーツを生活に取り入れようとしていて、それで体を強くしたいし、何も悩まずにへとへとになって泥のように眠れることを期待してる。この先の人生で、今までやりたいけどできなかったことを全部やれたらいいと思ってる。全部はやれなくてもいいし、もしかしたらどこかのタイミングで、もっと誰かと親密になって、ある程度合わせながら暮らすこともあるかもしれない。大事なのは多分、自分で選ぶことかな。自分で始めて、自分で抜けること。ときに多くの人たちのなかで喧騒を楽しみ、それより長い時間を静かな部屋や森林で休む。どんな素晴らしい本にも、自分特有の答えはないし、あっても変わり続けるものだから、解決しつづける知恵と余裕を持ち続けるように気を付けよう・・・。