ブレイディみかこ「いまモリッシーを聴くということ」937冊目

モリッシーのスミス時代を1セクション、ソロになってからを2つに分けて、合計3セクションの中で特筆すべき楽曲と、その楽曲の作られた頃のUKの様子を詳細に振り返る本。一人のミュージシャンをテーマに本を一冊書くくらい、多分著者はモリッシーのいわゆる大ファンなんじゃないかと思うけど、絶対に自分が愛していることは気取られないように抑えて抑えて書いた?と疑ってしまうくらい、客観的な視点を保つためにものすごく注意を払った文章という気がします。

モリッシーは、大学~社会人にかけてやっていたバンドの子たちが好きで、レコードやテープを貸してもらって聴いてた。それが1985~1989年あたり。就職したのがUKのお堅い会社で、仕事でロンドンに滞在していた1992年にフィンズベリー・パークで行われたマッドストックというフェスに行ったんだけど、これはほぼ同プログラムを2日連続でやるフェスで、私が行った2日目にはモリッシーが「前日になにか問題があったため出演しません」という張り紙がありました。その後、噂を聞きつけた音楽好きの人に質問攻めにあって初めて、モリッシーが相当のことをやらかしたらしい、と知ったくらいで・・・。惜しいことをしたような気もするけど、当時すでに私はモリッシーを聴かなくなっていたので、今からこの本のとおりに彼の軌跡を振り返ろうとがんばっても、歴史の本を読むみたいになっています。人生は短い、好きなものには今すぐ会いに行け、と思うようになったのはつい最近。この本はとても面白く、モリッシーにどんどん惹かれていったけど、もはや同時代の人間だなんて申し訳なくて名乗れない。

さようなら私の中のパンクス・・・かなぁ。