恩田陸「夜明けの花園」1058冊目

面白かった。恩田陸のゴシック系のほうの作品。全寮制の学園が舞台で、ヨーロッパ系の美形の少年が何人も出てくるので、萩尾望都作品を小説で読んでるような錯覚にいっしゅん、陥ったりする。スパイや刺客や大富豪の御曹司が登場するし。

ミステリーに殺人事件はなくてもいい、と、つい先日「スープ屋しずく」の感想で書いたばかりだけど、こういう派手な仕立ての作品も娯楽作品らしい盛り上がりがあっていいもんです。

あ、これシリーズものの一部なんですね。それでか、作品中に、この本に含まれていない別の事件のことに言及した箇所があるのは。中心にいるのは理瀬か。日系人、でもなく日本人らしいけどどんな女性なんだろう。…おっと私このシリーズの別の作品も過去に読んでるわ。「三月は深き紅の淵を」と「薔薇の中の蛇」。ちょっと読む順番間違えた感があるので、機会があったら順番に読み直してみよう…。