<後半のストーリーにふれています>
アメリカのSF、単行本で上下2冊でこの厚さ。子どもの頃から長い小説は苦手だったし、この本も、(映画化されるんだったら映画ができてから見ようかなぁ)と何度もくじけそうになったけど、山場が何度も何度もあって、私のような根気のない読者も取り残すことなく、最後まで連れて行ってくれました。そして、このゴールの楽しさ、痛快さ。映画「オデッセイ」も、絶望的な状況のなかでも楽しみを見つけていくマット・デイモンに救われるような場面がたくさんあったな、そういえば。
宇宙でのサバイバル、地球の危機を救うのは自分一人、という究極的な場面…から、後半まさかこれがバディものになるとは、映画「メッセージ」(これは原作者違うけど)で、もしかしたら、自分たちとはまったく違う姿の異星人とコミュニケーションが取れるのかもしれない、という新しい世界への期待をもった後とはいえ、まさかここまでの展開があるなんて。本当に、この小説で使われている素材はすべて見たことがあるものなのに、その組み合わせ、料理のしかたでここまで新しいものができあがっていることに感動します。
映画は主人公グレース(男)がライアン・ゴスリング、冷徹非情なプロジェクトリーダー、ストラットが「落下の解剖学」のあのサンドラ・ヒュラー(ぴったりすぎる)。ほかの星の生物たちがどんな映像になるのかも楽しみ。「メッセージ」は先に映画を見てしまって想像する楽しみがなかったので、今回は存分に楽しませてもらおうと思います!