國分巧一郎「暇と退屈の倫理学」1087冊目

難しい…というより、年をとった今は、物事を必要以上に細かく分けて分析することに終始して、本質に近づいていかないように感じてしまう。この本に書かれていることは、太古の昔から人間だれでも感じながら年を重ねていく真理のうち、感覚的な部分を除いたもののように見えます。若い頃なら、知らない言葉や読んだことのない古典が出て来るとくやしいような気持ちになって、むきになって読んだと思うけど、これを読んだりこのような研究をすることはもう自分の暇つぶしにはならないのだ。目も悪いし関節は痛いし、あいた時間にはおいしいものや可愛いもの美しいもの、快いものを詰め込んでおきたい。だからもう今は私には必要ない。。。批判する気持ちはまったくないんだけど、例えば、あんなに美大に入ることに憧れてたのに、通信教育で始めてみたらちっともぴんと来なかったり、絵の教室に入ったら最初は描くことに夢中になったけど1年ほどで気が済んでしまったことがあった。それと同じように、ものごとを難しく分析することは、もういいのだ。人間にはフェーズがあるようで、一度次に進んでしまったら元には戻れない。という気持ちです。