楽しかったー。
主役はニューヨークの普通の気のいいタクシー運転手。正義感も人並で、銃は持たず人にやさしく、凶悪犯罪を憎むけどギャンブルでちょこちょこ一攫千金を試みる。(ただし違法なノミ行為)たまたま乗客に(おそらく違法な操作の結果の)勝馬情報をもらって大勝ちし、賞金を取りに行ったらノミ屋が死んでいた。
死んだノミ屋が実は敵対する2つのギャングの両方とこっそり取引をしていたので、第一発見者の彼は両方から追われることに。ポーカー仲間、死んだノミ屋の妹、警察、大勢の人が彼を追って走り回ります。
この、懐かしいようなドタバタ感。邦題にもあるように主要な登場人物が多くて、表紙折り返しの人物リストを何度も見ながら読み進みました。書かれたのはなんと1969年。携帯はもちろんないし、誰もカメラを持ち歩いてないし、どこにも監視カメラはない。変わらずに当時からあったのは、銃と人の知恵です。CGのなかった時代のほうが、手で操作するメカニックによる映像効果がすごかったり、スマホがない時代のほうが、人間関係をうまくやれる人のスキルが際立って見えたりすると思うんだけど、これもまた、そんな時代の、人間の手触りが実感できる作品でした。
