シルヴィア・プラス「ベル・ジャー」1133冊目

どこで誰に勧められたんだっけ、この本?読む前にWikipediaで著者のことを調べたら、わずか30歳でみずから命を絶ったとのこと。せっかく手元にあるのに、なかなか読み始められなくなってしまった。

勇気を出して読み始めてみると、すらすらと読める。出版社の「インターン」と称する、少女たちの夢のような合宿生活。美味しいもの、珍しいものが食べ放題だし、素敵なグッズのプレゼント、美しい仲間の少女たち、ああこれは部屋にこもり続ける女の子の小説ではなくて、ソフィア・コッポラの世界だ、バージン・スーサイズだ。その生活にちっとも満足せず、ずっと心の中の闇に翻弄されているところも。

とてつもなく暗い小説でもあるんだけど、輝くばかりの感受性で、なんの遠慮もなく書きつづる彼女の世界が、ちょっとイヤだけどあまりに鮮烈で、引き込まれてしまいます。

家族や友人の誰からも傷つけられていないのに、自分から汚してくれとばかりに身を投げたり、学費を援助する人がいても学業を放り出していく。持てる者の憂鬱なんだろうか?輝きを知っているから、転落に耐えられないんだろうか。いや、まったく文章には見せないけど、自分に過大な期待をかける母親や、母親的な人々からの援助に答えられなくて、自分で自分を圧迫してつぶれてしまったのかな。

写真を探して見てみたら、すごく普通のアメリカの女の子だけど、目の表情は明るくない。…彼女を見ていると、自分も含めて、他人が若い女性に何を求めるかを実感してしまうな。バカでもいいから明るくて、間違ってもいいから本音をズバズバ言う子が”かわいい”んだと思う。そうはいいつつも、おしゃれで可愛くてウィットが利いていてほしい。そういう期待が重くなると、だんだん暗くなっていくのかも。(自分だってそうだったじゃないか、という気もする)

すごく面白かったけど、次はもっと前向きな別の作家のものが読みたいなぁという気分です。