「死んだ木村」シリーズ3冊目。今度の木村は大学の演劇サークルの脚本家です。合宿先の川で死んでいたところを発見されて、自殺とされた彼の謎の死因を当時の仲間が集まって探っていきます。
死というキーワードは重いけど実は身近にある。「死んだ木村と教室」では、死んだ木村のみんなが知らなかった内面に迫ったけど、ここでは木村を死なせた(とも想像しうる)仲間たちの、誰にも明かさなかった内面にひとりひとり迫っていきます。
どんなに仲がよくても身近でも、死にまつわる自分の気持ちについて話すこととか、ないよね。昔だってそうだったし、今なんてきれいですっきりした見た目が前よりずっと重視される時代だから、ますますネガティブな気持ちは内にこもる。この著者の小説を読むと、一見チャラくて悩みなんてなさそうな、メイク上手な女の子や、眉なんて揃えたりしてるきれいな男の子が、いろんな罪の意識で押しつぶされそうになっていたりして、それじゃすっぴんで髪あちこちハネてた若い頃の私たちと同じじゃん。バカだなぁみんな。っていってハグして回りたくなります。
当たり前ですよね、人間なんて1,2世代ていどで遺伝子に変化が出るわけでもなく、そのうち根本的に変わるかもしれないけど、それまでに何千年とか1万年とかかかるだろうし。
さて、これで「死」三部作?は読了ですが、このあとどういうものを書いてるのか気になります。引き続き読んでみたいと思います。
