すごく面白かった。
先日「ババヤガの夜」でダガー賞を受賞した著者の短篇集です。これの初版は2018年、だいぶ前という気がしますが、ババヤガも受賞したのは英語版で、日本では2020年、5年も前に出版されています。ご本人にしてみれば、ババヤガもだいぶ前に書いた作品って感じかもしれませんね。
こちらは、1つ1つに鋭いひらめきが光る短篇集で、エッセイっぽいものからSF、ミステリーっぽいものまで、まったく違うシチュエーション、バラエティに富む登場人物で、いちいち目からうろこが落ちるようです。「ババヤガ」もそういうアイデアの1つにすぎなくて、大変幅の広い書き手だということがわかります。
バイオレンスは(ババヤガに比べれば)比較的マイルドなので読みやすいと思いますが、この本にはLGBTや若干の男性忌避も書かれているので、人によっては読みやすくないかもしれません。
私はババヤガでよく言われる「シスターフッド」と女性同士の恋愛(性愛)の違いがあるのかないのか、いまひとつわからないところがありましたが、”やるかやらないか”は愛情の有無と正の相関関係にあるけど直結するわけではない、という、男女間であっても成り立つ説明をこの本全体でしてもらえたようで、なんとなく納得しています。
そうだよな、私が生涯で一番愛したメスの猫とは、猫なんで肉体的には「くっついて寝る」以上に何もないわけだけど、誰よりも愛し合ってたもんな。(すみません、急に話を落としたつもりはないんですが)
というわけで、最新作も早く読んでみたくなりました。
