<ネタバレあります>
これもまた、紙の本が手元に届いて読み始めた後で、Audibleに入ってることに気づいて、途中から聴きました。
会話が多いので耳から入ってきても眠くならない。でも、登場人物が多くて途中すこし戸惑う。…でも、聞く方が読むより区別はつきやすいですね。この本の場合ナレーターは一人で、男性が男女すべてを語るんだけど、それでも声色やトーンの高低で区別がつきます。文字面を見るだけだと、よほど属性が個性的でなければ(たとえば一人だけ方言が強いとか、全身いれずみ跡のある元やくざさんとか)区別がつきにくいので、聴くだけで誰だかわかると楽です。
一方、最初だけでも視覚で読むと、桜井とか和也とか、ベンゾーがカタカナだとか、さやかは沙邪香か、など初期設定が決まります。ただしこの本の場合、場面が次々に代わっていて、最初からAudibleで聞いた四章では、若い女の子の名前がなぜ「あに」?としばらく思ってました。あにじゃなくてあみ、漢字は亜美。ネイティブ日本語スピーカーの私だけど、意外と聞き取れてないものです。せつえさん、なんて女性の名前はあるのか?と思ったら節枝だ。彼女の夫の方言は、字を見るより音で聞いた方が意味がよくわかる。などなど。
紙とAudible、うまく使い分けられると一番便利じゃないかなと思います。
で、内容の感想ですが、
カバー写真を先に見てしまったので、横浜流星のあの本、って印象が強い。主役として不足はないけど、造形的にはまじめでやさしくてきわめて正義感が強い。あとイケメンでめちゃくちゃ仕事ができて体力もある。ただ、内向的でほとんどほかの人と関わりあわない。それ以外には特徴のない人です。
文章がすごくうまい作家さんで、登場人物がみんなくっきりとした形でそれぞれ個性的に浮かび上がってくるし、どんどん先を読み進んでしまうストーリーテラーだなと思います。ただ、最後の最後は少し失速したような気もして(あえてあっけない感じに書きたかったんだろうけど)。真相の部分は、あともうちょっと刺激してくれたら…と思ってしまいました。
映画もやっぱり見たいなぁ。主人公は頭の中でずっと横浜流星だったけど、どう見た目を変えていくのか?とか、視覚でも見てみたい。楽しみです。
