畠山丑雄「叫び」1195冊目

「時の家」もよかったけど、これも面白かった。

生活保護を受けながら銅鐸制作指導というか自らの哲学の開陳をつづける、早野の”先生”または”聖”。ぱっとしないけど平凡な早野が、何か道を間違えて、とんでもない世界へどんどん進んでいくこの感じ、純文学っぽくて芥川賞受賞作っぽくて好き。

(これがさらに異世界とか狂気へ突っ走る作品も多いけど、これは現実に踏みとどまってる)

アングラな世界も好きなんだけど、貧困を描く作品は観察的または同情的にずっとそこに居座る人たちを描くものも多い一方、これは生活保護受給者が普通にセミナーを行ったり先生と呼ばれたりしているのが、どこか痛快な気持ちにもなります。

なんとなく、まだこの著者の特徴がつかめてない気がするので、他の、もっと毛色の違う作品も読んでみたいです。

叫び

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