米澤穂信「黒牢城」1199冊目

この本、実は以前にも読もうとしたことがあったんだけど、序章が昔の文章っぽくて、歴史音痴の私はビビりあがってしまってあっという間に断念したのでした。

その後たまたま同じ著者の「小市民シリーズ」とかを読むようになって、まったく読みづらい点のないミステリー作家という認識に置き換えられてしまっていたのですが、改めて、そういえばこの人にはこんな作品もあった。よく読めばきっとすごく面白いはず。と思って再挑戦してみました。

やっぱり歴史のことはさっぱりだ。官兵衛が実在したことはドラマがあったので知ってたけど、この本は、もしかしたら、何も知らずに読んだから私にとっては完全にミステリーだったわけで、幸せな読者だったのかもしれません。読了後にネットで調べて、かなり史実に忠実な部分もあると知ってびっくりしました。

栗きんとんとかマカロンとかと文体が違いすぎる。構成や、人間の黒さを避けて通らない傾向とかは実は似てると思うけど。この本はまるで、歴史小説だけ何十年も書いてきた作家の作品みたいです。ミステリーもたっぷりあって、名探偵はまさかの獄中、かつ実在の人物っていう、いろんな新しさをちりばめているけど、ものすごく正統派という感じが強くて。

コスプレの天才、なんて言葉が浮かんできました。コスチュームじゃなくて文体のプレイだけど。

とりあえず次は、読みそびれてた冬期限定ボンボンショコラを読まなければ。