森バジル「探偵小石は恋しない」1231冊目

”本格推理”っていうジャンルは玄人向け、本をたくさん読みこんだ人もうなる名作、というイメージがあるけど、人間心理をぜんぜん気にしないでトリックだけにものすごく注力して書かれたものが多いと感じています。この本の場合、それよりもっと人間心理から遠く、本格的なトリックからも遠く、実現可能性とも遠いところで、現実的に見える部分も多いけどむしろファンタジー小説のジャンルなのかも、と思います。楽しく読み始めてどんどん読み進めたけど、私が「ミステリー」にイメージするものから遠くなりすぎて、中盤からすーっと気持ちが冷めてしまいました。

あらゆる作品は、たくさん楽しんだ読者が勝ちなので、盛り上がって楽しんだ人たちを否定する気持ちは全然ないのですが、これからこの人の作品を読むときはちょっと違う心構えで読もうと思います。