アメリ・ノートン「Tokyo Fiancee」1259冊目

アメリ・ノートンの本をどんどん読み進めてた頃に買った英語の本です。原語はフランス語で、和訳はおろか英訳もない本がたくさんあるので、フランス語の辞書だけは買ってみたけど、歯が立たず。この本ですら、結局、読み終わるのに10年かそれ以上かかってしまった。「チューブな形而上学」を原作とする「アメリと雨の物語」を見たのがきっかけになりましたが、それがなければいつまで積読しただろう、あるいは読まずに処分してしまったかもしれません…。

使われている単語が、きっとフランス語が語源なんだろうなと思われる、私はあまり見たことのないものが多くて、読み飛ばしてもいいんだけど、割と大事そうなキーワードのときはGoogle翻訳に頼ったりして、今回全編をなんとか読み終えました。私小説を書く人なのですが、ここでは彼女は幼い頃に日本で暮らし、大学卒業後に来日して日本語学校に通いながらフランス語教師のアルバイトもしています。で、生徒となった符号の御曹司と付き合い始めて、「東京フィアンセ」になるのですが…。というストーリー。ストーリーというよりほぼ事実なのかな。フランス語文学のあけすけさに驚くことが今までにもあったけど(例:ノーベル賞を受賞したアニー・エルノー)、変えてあるのは人名や社名だけなんじゃないかと思うくらい率直です。露悪的でも偽善的でもなく、自分自身を含む対象をまっすぐ見据える視点は、「チューブな形而上学」の子ども時代から変わっていないなと感じます。

この本に関しては、言語や文化の違いを面白がったり戸惑ったりするようすが身近に感じられて、以前読み切れなかったときより面白く読めました。

日本語を勉強中のフランス人青年に聞いて最近、Netflixで配信されてる「Tokyo Vice」っていうドラマも見たんだけど、アンセル・エルゴートが若干アクセントの怪しい日本語を自信たっぷりに話すのがなんともいえなくて最高でした。異文化交流はいつだって予想を超える。

著者はその後もどんどん本を書き続けているけど、ここ数年は英訳も出てない、もちろん和訳もないので、読むのは難しいな…。映画化作品も日本では見られない…え。「ロスト・ボディ」という映画が彼女の原作らしい。さっそく見てみなければ。