田口ランディ「オカルト」353冊目

 

雑文集、なのかな。詩やエッセイのような文章で、そのときの自分をなんとかそのまま表そうとがんばっている。文章の表面は穏やかだし、表現は明るい。これがこの人の普段の感じなんじゃないかな。

だけど目や耳や口の穴が真っ黒く開いてそこからどろどろのものがこぼれてくる、ことがある。

この人は多分、すごく強い人だ。

恐ろしい出来事にあっても、真っ向から対抗しないし、なかったことにしてごまかそうとしないし、自分にできることを一つ一つ、1日1日、過ごしていく。

そういう強さを持ちたいもんだ、と思う。

オカルト (新潮文庫)

オカルト (新潮文庫)

  • 作者:田口 ランディ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2004/10
  • メディア: 文庫