八雲法律事務所・編「インターネット権利侵害の調査マニュアル」595冊目

すごく面白い、ワクワクする本でした。(なんかストレートでない読み方をしてるな、私)こんな学術書みたいな体裁でなく、真っ黒い表紙におどろおどろしいフォントで「インターネットの闇との争いマニュアル」とか名付けて売れば、ネット書店でバカ売れしそ…

遠野遥「破局」594冊目

若い人の小説らしい、特有のその世代の匂いがあるなぁ。その一方で、癖の強い人物をみごとに描けることから、著者自身がヘンな奴で、自伝的に自分の不運を書いてるんだろうか、と思ってしまうのは、それが事実だからというより著者に筆力があるからかも。だ…

高山羽根子「首里の馬」593冊目

文藝春秋を買って読んだだけ。面白かったです。 芥川賞なので端正できれいな起承転結があるのかな、タイトルからすると歴史ものかしら、と思ってたら、現代もので馬も本物だった。個人的には、最初から半分くらいが一番面白かったな。怪しい電話クイズの顧客…

堤洋樹 編著「公共施設のしまいかた まちづくりのための自治体資産戦略」592冊目

諸般の事情で読むことになった本。 これは建築というより都市計画、それも公共施設を中心とした都市づくりについて書かれた本です。それってどんな都市計画よりも、どんな建設プロジェクトよりも大変で、最も大勢のステイクホルダーが関わる困難なプロジェク…

ケン・リュウ「生まれ変わり」591冊目

やっぱり面白かった。いくらでも新しいアイデアが出てくる。この人弁護士でソフトウェアデベロッパーだし、IQすごそうだなぁ。SFって、今発見されたばかりの新しい事実や技術の「その先」とか「もっと先」を好きなだけ想像してふくらませることができるから…

高野秀行「未来国家ブータン」590冊目

すごく面白かった。秘境好きの人はほぼ100%話が面白い…。それは自分と違うものを心底楽しめるからだよね。ブータンには10数年前、先代の国王の頃にツアーで行って、一生心に残る面白い目の覚めるような旅をしてきたのですが、自分で行くのに匹敵するほどの面…

川上弘美「溺レる」589冊目

1990年代っぽい、バブル疲れしてそこから降りたくなった人たちが出てくる作品だなぁ、と、まず思った。地方競輪が舞台の佐藤正午の小説とかさ。 この人の「センセイの鞄」という本を昔、女友達から読めと渡されたことがある。私がその主人公に似てるんですっ…

ケン・リュウ編「折りたたみ北京」588冊目

テッド・チャン(「メッセージ」など)、劉 慈欣(「三体」)、ケン・リュウ(「紙の動物園」「母の記憶に」)と読み進めてきて、超一流の作家でもあるケン・リュウが自ら翻訳して英語版を売り出している新進気鋭の中国語作家のアンソロジーがあるなら、そり…

エリザベス・キューブラー・ロス「続死ぬ瞬間 死、それは成長の最終段階」587冊目

また借りてきたけど、この本はさまざまな宗教や文化における死について書かれた論文集でした。面白そうと思って借りたんだけど、思いのほか自分にはとっつきにくかったです。だいぶ読んだけどこれでキューブラー・ロスシリーズはいったん終わりかな…。 死、…

エリザベス・キューブラー・ロス「死ぬ瞬間~死とその過程について」586冊目

これが最初の、いちばん有名な世界的ベストセラーになった本。1969年の抄訳本ではなくその後完訳されたものです。 後で書かれた本と比べて圧倒的に医学書の色合いが強いです。キューブラー・ロスはまだ100%精神科の医師であってカウンセラーとかセラピスト、…

エリザベス・キューブラー・ロス「ダギーへの手紙」585冊目

子ども向けの大判の絵本だった。 死生観を末期がんの子どもに聞かせるという非常に難易度の高いミッションを果たそうとした偉大なる本。人の一生は春夏秋冬だ、やるべきことが全部終わったらさなぎを脱いだ蝶みたいに飛んで行って、先に飛んで行った人たちと…

エリザベス・キューブラー・ロス「ライフ・レッスン」584冊目

キューブラー・ロスの本がとてもよかったので、さっそく続けて読んでみました。 これもいい本。よりよく死ぬということはよく生きた後に起こる結果だから、人はどう死ぬのかをある程度わかって安心したら、じゃあさっそく今日どう生きるか?ということを考え…

武田俊太郎「量子コンピュータが本当にわかる!」583冊目

最近少しずつ勉強している量子コンピュータの本。現在開発されている量子コンピュータのハードウェアには、汎用型の「量子ゲート方式」と、実用化されているけど”巡回セールスマン問題”を解くだけの単一マシンである「量子アニーリング方式」があります。こ…

E・キューブラー・ロス「「死ぬ瞬間」と死後の生」582冊目

タイトルがものものしい感じもします。人間はみんな根源的に死を恐れる部分があると思いますが、年を取って、「とりあえずみんな、死を恐れるひまがあったらしっかり生きるべき。死は生が終わる瞬間のことで、しかも、気にしたら変わるというもんでもない」…

カーヤ・ノーデンゲン「『人間とは何か』はすべて脳が教えてくれる」581冊目

割と難しい本だった。タイトルを見て、「人間とは」というテーマで一冊が語られると思ったらそうではなかった。脳のさまざまな部分がそれぞれどういう人間の活動をつかさどっているかを章ごとに説明した、比較的読みやすい学術書という感じ。 脳のここはこう…

阿部修平「暴落を買え!年収300万円から始める資本家入門」580冊目

タイトルはなんだかセンセーショナルな投機を勧めるように見えますが、実に穏当な貯蓄とバフェット式投資を勧める本でした。 バフェット式投資とは。私が理解しているわずかな部分をいえば、「しっかりしていて将来性のある会社の株を安いときに買え」。そう…

高橋桐矢「占い師入門」579冊目

会社を辞めたがってる友達が「占い師になりたい」と言ってたのを思い出して、会ったときに上げようと思って「ご自由にお取りください」に置いてあった本をもらってきました。が、読んでみたら予想外に面白かった!そして、すっごくまともな本でした。この本…

ケン・リュウ「紙の動物園」578冊目

ほとんどがいわゆる未来SFの短編集「母の記憶に」を先に読んでしまったから、というのもあるけど、賞をそうなめにした短編「紙の動物園」に機械もソフトウェアも出てこないのが意外でした。SFの「サイエンス」の部分がなくて、ファンタジックで情緒的な美し…

チャディー・メン・タン「JOY オンデマンド」577冊目

マインドフルネスについて何冊か読んでるんだけど、瞑想を「ジョイ・オン・デマンド」って表現するのって軽くて面白い。深遠で難しそうな顔をしなくてもいい、瞑想を楽しんでいいんだよ、っていう著者の意図が伝わってきます。 瞑想はインドの昔の知恵だと思…

ケン・リュウ「母の記憶に」576冊目

面白かった。テッド・チャンを読み始めて(実はまだ読み終わってない)感動して、現代中国SFすごいぜ!と聞いたのでこっちも読んでみたわけですが、ほんと層が厚いですね。ケン・リュウも達者な宇宙SFを書くけど、彼は中国生まれということもあってか、三国…

スティーヴン・マーフィ重松「スタンフォード大学マインドフルネス教室」575冊目

マインドフルネスって何?ということを基本から知りたいと思って、借りてみました。日本の血を引く著者が誠実に著した良い本です。 マインドフルネスってのは瞑想の名前じゃなくて、考え方みたいなものなんだな。誰も権利を持つわけではなく、会員にならない…

江川紹子「「カルト」はすぐ隣に」574冊目

多分何かで紹介されてたから借りようと思ったのだけど、読んでみたらなんとも寝覚めが悪いほど怖い本でした。 「本当の自分」とか「絶対正義」や「絶対真理」を追究したいって、若いころはずっと思ってました、私も。勉強は嫌いじゃなくて、むしろ人付き合い…

ジム・ロジャーズ「危機の時代」573冊目

不安ですよ、そりゃ。コロナの波が去りかけたと思ったら戻ってきて。巣ごもりを始めてから丸2か月以上。出勤は始まったけど在宅もある程度続ける。もしまた新規感染者が1日に100人も見つかるようになったら、また全部飲食店を閉めさせるのか?こんな状況なの…

喜多あおい「プロフェッショナルの情報術」572冊目

テレビ番組の制作に欠かせない、影のキーパーソンである「リサーチャー」の草分け、喜多あおいさんがご自身のすごすぎる情報収集・整理・提案の方法を、惜しげもなく書いてくれたのがこの本。すごいノウハウがたくさん詰まってるのに、全部書いてあるのに、…

寺部雅能・大関真之「量子コンピュータが変える未来」571冊目

前に「量子コンピュータが人工知能を加速する」という本を読みました。難しいけど面白かった。でもこの本は、難しくありません!現在のアーキテクチャとまったく違うハードウェアと考え方をもつ、現在開発が進みつつある量子コンピュータ。私が生きてるうち…

浅生鴨「猫たちの色メガネ」570冊目

今まで読んだこの著者の本のなかで一番、「遠くに連れて行ってくれる」ような文学の楽しみがありました。それでも、なんとなく説明的で親切すぎて、もっとほったらかしにしてほしいような気がする。これはやっぱり、著者が長年関わってきたのがテレビってい…

浅生鴨「どこでもない場所」569冊目

エッセイ集。これも面白かった。 小説と同様、すごくまともなんだよね、話者の感覚が。変な人が変なことを言うとドン引きするし、面白いほう、面白いほうに行こうとあえて志向してるところが、その人自身はちっとも変な人ではない。Twitterで私が勝手に思い…

浅生鴨「伴走者」568冊目

面白かった。前半はマラソンの伴走者、こっちはテレビで見たこともあってちょっぴりは想像できたけど、後半のスキーの伴走者は本当に驚き。どちらのストーリーにも心を掴まれてグイグイ読んだけど、 <突然ですが、以下ネタバレ> どちらも読者が一番期待す…

西森秀稔・大関真之「量子コンピュータが人工知能を加速する」567冊目

おもむろに、量子コンピュータって?が知りたくなって借りてきました。 著者のひとり大関氏は数年前に、「量子アニーリング」方式の量子コンピュータの活用を促進する活動などを行うベンチャーを立ち上げたとのこと。基礎研究を続けること、それを実用化する…

辛島昇「インド・カレー紀行」566冊目

楽しい本でした! 最近、毎日のようにインド・スリランカ・ネパールとかの”スパイスカレー”を食べてるけど、カレーの歴史とか種類って全然わかってません。この本によると「カレー」という言葉の語源は、実は「不明」だったり、ゴア州の「ビンダルー」カレー…