津野敬子「ビデオで世界を変えよう」612本目

この人すごい!こんなにパワフルでめちゃくちゃ勇敢で行動力のある日本人女性が、こんな活動をニューヨークで長年やってきたなんて。あまりに素晴らしすぎる。 先日Netflixで見た「カメラが捉えたキューバ」というドキュメンタリーがすごく面白かったのです…

崔実「ジニのパズル」611冊目

胸に来た。この子を静かに抱きしめていたい、と思った。抱かれるのが苦手な猫みたいに、ふんわりと膝に載せて。 感受性が強すぎて、すぐ泣いてしまいそうだから、お面のように顔をこわばらせて暮らす。そうしないと、泣きっぱなしではどこにも行けない、何も…

ジョディ・カンター、ミーガン・トゥーイー「その名を暴け」610冊目

原題は「She Said」。この本の本質は誰かの名を暴くことではなくてワインスタインやカバノーの過去の性的暴行を公にして立証することなので、この邦題は不適当で煽情的なんだけど、本はとりあえず手に取ってもらうことに意義があるという意味では、宣伝効果…

アーナルデュル・インドリダソン「厳寒の町」609冊目

この作家の、日本語翻訳の出てる作品、これで読破だ! 陰鬱な風景、暗くて覇気のない登場人物たち、根深い人間関係が根幹にある犯罪を特徴とするこのシリーズ。今回は移民の人種差別問題に焦点が当たります。 2019年夏にアイスランドで現地ツアーに参加した…

アーナルデュル・インドリダソン「湖の男」608冊目

これが4冊目。前の3冊にも増して、さらに読み応えがありました。 想像したこともなかった冷戦時代の北欧。アイスランドについ最近までアメリカ軍が駐留していて、ソ連に対する重要な軍事拠点だったことも知らなかった。東ドイツのライプツィヒに、アイスラン…

町山智浩「町山智浩のシネマトーク 怖い映画」607冊目

この人のこの手の本、すでにたくさん読んでるし、なんとなく既視感がある作品も多いけど、新しいものもありました。町山氏はハリウッドの近くに住んでいるという地の利があって、監督などの製作サイドの人たちに直接インタビュー多数、他では見られない裏情…

高野秀行「謎のアジア納豆」606冊目

面白いに決まっている本を借りて来た。実に面白い。ときどき声を上げて腹の底から笑いながら、ずんずん読み進みました。 だいいち夫婦が犬を連れてタイを旅行するっておかしいでしょう!あちこちのオリジナル納豆とそれを自慢げに見せびらかす人々。普通の人…

木村友祐「海猫ツリーハウス」605冊目

ものすごく可愛いフェルトの子ペンギンの表紙。これがホラーとか全員死ぬミステリーとかだったら怒ります。そうではなかったけど、この表紙の意味はなんだろう。主人公が釣りをしていたときに現れた海鳥の子?それとも、専門学校を中退して田舎で暮らす主人…

アーナルデュル・インドリダソン「声」604冊目

この作家の日本語訳、3冊目。このシリーズは書き続けられてて、すでに日本語訳があと2冊出てるようですね。 これもまた、失意のうちに命を奪われた人の人生の物語でした。読んでる最中も、読み終わったあとも、残念な気持ちでいっぱいになるけど、なんという…

細谷功「具体と抽象」603冊目

友達から借りて読みました。テーマが1つに絞られてて、具体と抽象についてだけ掘り下げて、どんな人にも届くように、懇切丁寧に語られた本。 言われなくても理解できてるような気がする一方、自分が普段の判断や言動でこの具体⇔抽象のピラミッドを活用でき…

アーナルデュル・インドリダソン「緑衣の女」602冊目

これも「湿地」同様、陰鬱で愛と思いやりにあふれた人間たちのミステリー。とても力強い文章で、引きつけられてぐいぐい読みました。湿地のときは、犯人の時系列と操作の時系列を並列にした映画のほうが共感しやすいと書いたんだけど、この本は最初から並列…

東野圭吾「マスカレード・イブ」601冊目

たまたま手に入ったので読んでみました。キャラクター設定が「いかにも」なところはあるけど、面白い。トリックも珍しくはないけど、いろんな部分をキャラクターの魅力で補ってます。 これ、キムタクと長澤まさみで映画化されたんですよね。キャラクターは合…

アーナルデュル・インドリダソン「湿地」600冊目

寡聞にも知らなかった、北欧ホラー台頭のなかにアイスランドの作家もいることを。さらに、その代表的な作家の作品が映画化されてたことも。友人から聞いてさっそくこの映画を見てみたんだけど、映画の感想のなかに「小説のほうが良かった」という人が多かっ…

テレサ・ダグラス/ホリー・ゴードン/マイク・ウェバー「リモートワーク・ビギナーズ」599冊目

図書館の新刊コーナーで見かけて借りてみました。 著者たちは、2010年に突然全社リモートオフィス化した、つまり全員が在宅勤務になったカプラン・テスト・プレップ社(https://www.kaptest.com/)の社員。世界じゅうがコロナ禍で在宅勤務になった今、先人と…

中野信子「人は、なぜ他人を許せないのか?」598冊目

なんか切実です。 日本の会社における外資系から来た人。家族を養っている人に対して一人で好きなように暮らしている人。いろんな「違い」が重なると攻撃が集まる。多数派の人たちが固まって気持ちよさそうに陰口を言う。重篤になると本人に面と向かって何か…

木村友祐「幼な子の聖戦」597冊目

きっとどこかのブックレビューを見て読もうと思ったんだな。人気の本は予約を入れてから手に入るまでの間に、借りた理由を忘れてる。 この本は私が読みたがるタイプの本じゃないなーと冒頭で気づきます。だって無差別大量傷害殺人だもん。誰を刺したかも本人…

ロバート・フェルドマン「未来型日本経済最新講義」596冊目

経済学の専門家が、しっかり調査して得られた数字をベースに日本の近未来を予測し、提言を行った本。さすがの説得力。多分彼のいうことはほとんど正しくて、日本は今後その通りになっていくんだろう。なのにちょっぴり物足りない気がするのは、「日本は駄目…

八雲法律事務所・編「インターネット権利侵害の調査マニュアル」595冊目

すごく面白い、ワクワクする本でした。(なんかストレートでない読み方をしてるな、私)こんな学術書みたいな体裁でなく、真っ黒い表紙におどろおどろしいフォントで「インターネットの闇との争いマニュアル」とか名付けて売れば、ネット書店でバカ売れしそ…

遠野遥「破局」594冊目

若い人の小説らしい、特有のその世代の匂いがあるなぁ。その一方で、癖の強い人物をみごとに描けることから、著者自身がヘンな奴で、自伝的に自分の不運を書いてるんだろうか、と思ってしまうのは、それが事実だからというより著者に筆力があるからかも。だ…

高山羽根子「首里の馬」593冊目

文藝春秋を買って読んだだけ。面白かったです。 芥川賞なので端正できれいな起承転結があるのかな、タイトルからすると歴史ものかしら、と思ってたら、現代もので馬も本物だった。個人的には、最初から半分くらいが一番面白かったな。怪しい電話クイズの顧客…

堤洋樹 編著「公共施設のしまいかた まちづくりのための自治体資産戦略」592冊目

諸般の事情で読むことになった本。 これは建築というより都市計画、それも公共施設を中心とした都市づくりについて書かれた本です。それってどんな都市計画よりも、どんな建設プロジェクトよりも大変で、最も大勢のステイクホルダーが関わる困難なプロジェク…

ケン・リュウ「生まれ変わり」591冊目

やっぱり面白かった。いくらでも新しいアイデアが出てくる。この人弁護士でソフトウェアデベロッパーだし、IQすごそうだなぁ。SFって、今発見されたばかりの新しい事実や技術の「その先」とか「もっと先」を好きなだけ想像してふくらませることができるから…

高野秀行「未来国家ブータン」590冊目

すごく面白かった。秘境好きの人はほぼ100%話が面白い…。それは自分と違うものを心底楽しめるからだよね。ブータンには10数年前、先代の国王の頃にツアーで行って、一生心に残る面白い目の覚めるような旅をしてきたのですが、自分で行くのに匹敵するほどの面…

川上弘美「溺レる」589冊目

1990年代っぽい、バブル疲れしてそこから降りたくなった人たちが出てくる作品だなぁ、と、まず思った。地方競輪が舞台の佐藤正午の小説とかさ。 この人の「センセイの鞄」という本を昔、女友達から読めと渡されたことがある。私がその主人公に似てるんですっ…

ケン・リュウ編「折りたたみ北京」588冊目

テッド・チャン(「メッセージ」など)、劉 慈欣(「三体」)、ケン・リュウ(「紙の動物園」「母の記憶に」)と読み進めてきて、超一流の作家でもあるケン・リュウが自ら翻訳して英語版を売り出している新進気鋭の中国語作家のアンソロジーがあるなら、そり…

エリザベス・キューブラー・ロス「続死ぬ瞬間 死、それは成長の最終段階」587冊目

また借りてきたけど、この本はさまざまな宗教や文化における死について書かれた論文集でした。面白そうと思って借りたんだけど、思いのほか自分にはとっつきにくかったです。だいぶ読んだけどこれでキューブラー・ロスシリーズはいったん終わりかな…。 死、…

エリザベス・キューブラー・ロス「死ぬ瞬間~死とその過程について」586冊目

これが最初の、いちばん有名な世界的ベストセラーになった本。1969年の抄訳本ではなくその後完訳されたものです。 後で書かれた本と比べて圧倒的に医学書の色合いが強いです。キューブラー・ロスはまだ100%精神科の医師であってカウンセラーとかセラピスト、…

エリザベス・キューブラー・ロス「ダギーへの手紙」585冊目

子ども向けの大判の絵本だった。 死生観を末期がんの子どもに聞かせるという非常に難易度の高いミッションを果たそうとした偉大なる本。人の一生は春夏秋冬だ、やるべきことが全部終わったらさなぎを脱いだ蝶みたいに飛んで行って、先に飛んで行った人たちと…

エリザベス・キューブラー・ロス「ライフ・レッスン」584冊目

キューブラー・ロスの本がとてもよかったので、さっそく続けて読んでみました。 これもいい本。よりよく死ぬということはよく生きた後に起こる結果だから、人はどう死ぬのかをある程度わかって安心したら、じゃあさっそく今日どう生きるか?ということを考え…

武田俊太郎「量子コンピュータが本当にわかる!」583冊目

最近少しずつ勉強している量子コンピュータの本。現在開発されている量子コンピュータのハードウェアには、汎用型の「量子ゲート方式」と、実用化されているけど”巡回セールスマン問題”を解くだけの単一マシンである「量子アニーリング方式」があります。こ…