岡田英夫「日本語教育能力検定試験に合格するための基礎知識」710冊目

日本語教師の資格を取ろうかと思って、いろんな教材を読みまくったりしています。「テキスト」と称する本を読めば、試験には無駄な知識も含めて包括的に理解できるように必要な知識を体系的に書いてあるんだろうと思って、そういう本を買って通読してみたん…

信田さよ子「加害者は、変われるか?」709冊目

加害者の多くが、自分は被害者だと思ってるとある日気付いた。といっても、深刻な家庭内のDVの話じゃなくて、職場のいやがらせの話だけど。(普遍的なことかもしれないけどね) 表題の論点がとことん語られる本かと思ったら、もう少し全般的なわかりやすい読…

村田喜代子「縦横無尽の文章レッスン」708冊目

この本のパート1ともいえる「名文を書かない文章講座」はだいぶ前に買って持っている。村田喜代子は文章の達人のなかでも、子どものように感じて大人のように考える、感性と技術の両方がすごい人だと私は思っているので、この人の文章講座は読む価値が高い!…

柴田元幸・高橋源一郎「小説の読み方、書き方、訳し方」707冊目

何でも読んで何でも書く高橋源一郎と、何でも読んで訳す柴田元幸が、表題について自由に語り合った本。私の読んだことのない本や、聞いたこともない作家の話が多くて、いいとも悪いともなんとも言えないのですが、高橋氏が絶賛する柴田氏の訳書、ブコウスキ…

地球の歩き方「世界の魅力的な奇岩と巨石139選」706冊目

これは感想を書くような本なのか? 違うかもしれないけど、面白かったです。この1年半の映画と本だけの私からはもう思い出せないほど、その前の数年間は休みのたびに旅行に出かけてました。ひたすら出費を抑えて、何度でも行く、どこへでも行く。若い頃は都…

福井寿和「全店舗閉店して会社を清算することにしました」705冊目

青森でカフェなどの飲食店を経営していたけれど、コロナ禍に突入した際にいち早く現状を把握し、比較的早い段階で会社を畳むことを決意した経営者の著書です。 Twitterでこの本のタイトルにもなっている”清算”に関するNoteのことが、書かれた日にすぐ回って…

西條奈加「心淋し川」704冊目

こころさびしがわ、じゃなくて、うらさびしがわ、って読むの?(表紙を見ながら) 江戸のうらぶれた下町の片隅に、貧しくつつましく暮らす人たちの群像劇です。なんとなく、目新しさはなくて、前に他の人の書いた似た小説を呼んだような気もするけど、落ち着…

ジョン・ガイガー「奇跡の生還へ導く人~極限状況の『サードマン現象』」703冊目

確か高野秀行氏が勧めてたので予約した本。 生死を分ける場面で、姿のない「サードマン」が現れて自分に指示をしてくれたおかげで命拾いをした、などなどの話を集めたものです。合理性の国アメリカっぽくない気がする、あるいみオカルト的、日本でなければア…

奥田知志・茂木健一郎「『助けて』と言える国へ」702冊目

2013年発行。最近見た特集番組で奥田知志が取り上げられていて、もっと知りたいと思って借りて、よく見たら対談集だった。茂木健一郎は、以前はTwitterをフォローしてたこともあったけど、その頃彼はなにかに怒ってることが多くて、読むのに疲れて外してしま…

ケン・リュウ「宇宙の春」701冊目

彼自身の短編集、日本版4冊目。ハヤカワのちょい縦長のこの本を読んでるとちょっとワクワクする。 「宇宙の春」 今回も情緒豊かな、SFって感じのしない短編もあります。「マクスウェルの悪魔」は米軍から親の故郷である沖縄へ送られた、日系人女性のお話とか…

能町みね子「結婚の奴」700冊目

いやー面白かった。かなり赤裸々に(文筆のプロなのでいろんな脚色もあるのでしょうが)書いてあるものを面白がるなんて失礼かなとも思いましたが、物見遊山なだけじゃなくてすごく興味深くて引き込まれて、あっという間に読み終わりました。 結婚ね…。一回…

リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット「ライフシフト 100年時代の人生戦略」699冊目

クローズアップ現代で取り上げられてリンダさんがインタビューに答えていたのが印象的だったので、さっそく読んでみました。 こういう本ってどうしてこう厚いんだろう…。なんとか短くする方法はないんだろうか。アメリカ人って日本の人より一般的に単刀直入…

中井延美「必携!日本語ボランティアの基礎知識」698冊目

おもむろに。老後の海外移住には日本語教師の資格が役立つはずと思い立ち、手始めにこんな本など読んでみることにしました。 ボランティアといっても、日本語を勉強している外国の人に、正しい日本語を、ある程度定番の教え方(外国人向けの文法とか)を用い…

高野秀行&角幡唯介「地図のない場所で眠りたい」697冊目

やっぱり面白い。高野秀行の書くものは100%面白い。ときどき腹を抱えて笑える、じわじわと好奇心がたぎってくる、読み終えて充実感と目が開けたような感じがある、など、いろんな意味で面白い。 この本は彼の早稲田大学「探検部」の後輩であり同じくノンフィ…

トーマス・セドラチェク&デヴィッド・グレーバー「改革か革命か」696冊目

「ブルシット・ジョブ」が面白かったので、デヴィッド・グレーバー関連の本をさかのぼってみる。この本はチェコの経済学者トーマス・セドラチェクとの対話。ものすごく簡単にまとめると、二人とも今の経済社会はおかしいと思っていて、セドラチェクはそれを…

カズオ・イシグロ「クララとお日さま」695冊目

カズオ・イシグロ買って読んだの初めてかも。映画があれば先に見ちゃうし…。今までに本で読んだのは「遠い山なみの光」と「忘れられた巨人」だけ。映画で「わたしを離さないで」「日の名残り」「上海の伯爵夫人」。じつに丁寧に作られたすばらしい映画で、言…

しいたけ.「しいたけ.の小さな開運BOOK」694冊目

発売と同時に読んでみました。 どうしても、自分が何色かわからなかった…。 オタクで対人関係が苦手なエメラルドか。仕事のときだけはきびしいネイビーか。マイペースでメモ取りな茶色か。運命に翻弄されるけどへこたれない金色か。 基本は茶色かエメラルド…

たつなみ「すこしずるいパズル」693冊目

これ、Twitterで流れてきたのを見て、すごく面白かったので買ってしまいました。むずかしくてヒントなしではほとんど解けないのですが、ヒネリが利いていて、なんか可愛いので挑戦するのが楽しい。 夕方に届いて、夜遅くまで解き続けてしまいました! Twitte…

デヴィッド・グレーバー「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」692冊目

ものごころついたときから、(本当に偉大な仕事は、土から食物を生成する農民なんじゃないか?つまり、それ以外の製造業もサービス業も、それほど重要じゃなかったり、なくてもいいものなんじゃないか?)という思いに取りつかれて、目の前の勉強や仕事に今…

吉永小百合(取材・構成 立花珠樹)「私が愛した映画たち」691冊目

日本の女優の大本命、吉永小百合がとうとう自分の作品を振り返る本を出してくれました。立花先生、大活躍。 吉永小百合って人は若い頃のチャキチャキした役柄のとおりの、竹を割ったような性格の行動派だな、という印象ですね。いくつになっても若々しく明る…

宇佐美りん「推し、燃ゆ」690冊目

直近の芥川賞受賞作品。図書館で500人待ちの末やっと手元に届きました。 まず、この本は抜群に面白かった。アイドルって言葉は今はもう使われないのね。「推し」のことを名前で呼ぶことも少なくて、ファン本人も「推し」と呼び合っている。自分の「推し」に…

萩尾望都「半神」689冊目

また萩尾望都の単行本を買ってしまった。この短編集は、どうも過去にまるごと読んだ記憶がある。それにしても面白いし美しい。少女まんがにしかない「夢」がある。うっとりした感じ。「去年マリエンバートで」みたいな、ゆったりとして夢見るようなトーン。…

村田喜代子「人の樹」688冊目

敬愛する村田喜代子の本、しばらく追っかけていなかったうちにたくさん出版されてました。順次、読んでいきます。 この本は、かなり異色。タイトル通りともいえるのですが、1つ1つの短編で、樹木を人格のあるもののように描いています。たとえば「あたしは…

モハメド・オマル・アブディン「わが盲想」687冊目

高野秀行の本をたくさん読んでたら、この人のことが出てきて、興味がわいたので読んでみました。スーダンの視覚障碍者で、日本の鍼灸学校に留学してきた後、コンピューターや政治を学んで、東京外大の助教になったらしい。長年学生でい続けたことのうしろめ…

三島由紀夫「金閣寺」686冊目

最初に読んだのがいつかなんて思い出せないくらい昔だけど、「100分de名著」に刺激されて再読。本より最近みた「炎上」とか「五番町夕霧楼」(佐久間良子も松坂慶子も)の印象のほうが強い。 人が自分の勤務先の、しかも、貴重で美しく古くて大事な建物を焼…

萩尾望都「バルバラ異界」683~685冊目

<ネタバレあり> 図書館で4か月順番を待ったけど、まったく順番が進まないのでとうとう買いました。複雑かつ広がりのある、SFでありながら少女まんがの美とロマンを備えた名作でした。 去年マリエンバートで はもちろんのこと、惑星ソラリスと、ミッドサマ…

ロビー・ロバートソン「自伝 ザ・バンドの青春」682冊目

この本をもとにしたドキュメンタリー映画をやっと見たので、本の方も読みたくなってしまった。上下二段で515ページという分厚い本だけど、ロビー・ロバートソンの生い立ちからザ・バンド解散直前の「ラスト・ワルツ」まで、彼と一緒に一生を生きなおすかのよ…

ホルヘ・ルイス・ボルヘス「伝奇集」681冊目

ベルトリッチ監督「暗殺のオペラ」を見たんですよ。で、原作も読んでみたくなって借りてみたわけ。この本でボルヘスは、書かれなかった本のあらすじだけを語るっていう体裁で、いろんな物語を語ります。その手法は、ズルいくらい読みたい心をそそる、読む人…

伊藤計劃「虐殺器官」680冊目

2007年に書かれた著者の初長編小説で、日本の2000年代を代表すると言われている作品。遅ればせながらテッド・チャンやケン・リュウを読み始めた日本人としては、押さえておくべき作品。 アメリカ軍に所属する暗殺者である「ぼく」が語る形になっているSFであ…

村井章介「世界史のなかの戦国日本」679冊目

高野秀行の読書本で取り上げられてたのを読んでみました。歴史がまるでダメで、大河ドラマとか見ても全然理解できない私にはとても難しい本だったけど、面白かった。蝦夷地や琉球の支配、ヨーロッパからの武器の伝来、倭寇や秀吉の朝鮮出兵といった出来事を…