2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧
著者がやっているクリープハイプというバンドのことは、聞いたことあるかも?くらいしか知らない。インタビュー番組で見た彼が面白くて、先に本を読んでみることにしました。彼がむかし働いていた製本所で作られたきれいな本。 感想は、とても面白かった。起…
森博嗣って比較的新しい作家さんだと思ってた(「すべてがFになる」を読んだのを覚えてる)けど、この2作目が書かれたのは1996年。だからまだ誰もケータイ持ってなくてUNIXでメールを使いこなせるのがサバイバルだったりします。データの運搬は今は亡きフロ…
ある小説が「私小説」なのか「フィクション」なのか? どの作家でも同じだと思うけど、混同してすべて著者の経験だろうと思い込む人って多いと思う。読者はどこでその区別をつけるんだろう。 寂聴さんの”最後の私小説”と何かで読んだ「いのち」を読んだので…
最初に結論を言っておきますと、人間描写の行き届いた、愛のあるよい作品で、とても面白かったです。 冒頭にある「主要登場人物」リストを見たとき、「蓉」と書いて「いるる」、「凪津」と書いて「なづ」、「深羽」と書いて「みう」といった名前が並んでいて…
20代にして貧困とたたかうNPO「もやい」の理事長となり、ずっと熱心かつ積極的に活動を続けている人の書いた本です。テレビをつけたらたまたま国会中継をやっていて、彼が発言しているのを見たことがあるのですが、弁舌爽やかに、ためらいなく、正しいと思う…
寂聴さんの作品は「かの子繚乱」、「ひとりでも生きられる」くらいは私も読んだな。ネット小説「あしたの虹」も読んだわ。小林幸子ばりの、若い子のメディアにも臆さない八面六臂の活躍が好きでした。もっともっと生き続ける方だと思っていたけど、終わりは…
この人の監督したドキュメンタリーはたくさん見てるしノンフィクションの本も読んでるけど、小説を書いてるとは知らなかった。厚い! 冒険RPGのような小説で、つまり村上春樹作品のようでもある。その章に出てくるフレーズを章タイトルにしているところなん…
この本を読むことにしたきっかけは、日本語の「音声学」の授業で”「デンドロカカリヤ」はどんなアクセントで読むか?”という話があったこと。日本語の高低アクセントには法則性があるので、初めて聞く意味の分からない言葉でも、その法則に従って読むことが…
これで出版されている作品は全部読んだかな。台湾から日本に来て日本語を使って仕事をしている女性の、さまざまな恋愛。今回彼女は新疆から来た、ウイグル族のボーイッシュでキュートな女の子と恋に落ちます。中国のなかでイスラム教徒であるウイグル族は政…
これがデビュー作なのか。この中で描かれていることは、著者の”私小説”では決してないと思う。でも何らかの痛みにさいなまれて、小説のなかで”一度死ぬ(※結末を書いてるわけじゃないです)”ことによる生きなおしが必要だったのかな、と、しんみりする。 こ…
こういう本大好き。秋の夜長に、こたつみかんでも、コーヒーチョコレート猫でもいいから、最高にリラックスして夜更かしして、楽しみたい時間です。 市川憂人、米澤穂信、東川篤哉、麻耶雄嵩、法月綸太郎、白井智之+の6人が、ガッツリ”Whodunnit”(犯人は誰…
すごく面白かった。「紙鑑定士」「伝説のプロモデラー」という、マニア心をくすぐるプロフェッショナルたちのオタクトークに”ふむふむ、ニヤリ”、「えっ」というようなエピソードの連続。だけど、文章がこなれていて読みやすい。登場人物たちが、美形であっ…
新刊リストを眺めていたらこの本を見つけて、タイトルと表紙に惹かれて読んでみました。第二次大戦直後のロンドンの、廃墟の中に残ったビルの4階で”ロンドンで2つめの”結婚相談所を始めた若くて美しい二人の女性。一人は元スパイで、もう一人は夫を戦争で…
前に通販で「コーヒー焙煎入門」みたいなのをやったことがあるのと、生豆が焙煎したものより圧倒的に安いことから、半隠居後はひまなときにいつもコーヒー豆を焙煎しています。映画みながら、テレビみながら。焙煎のやり方は、もう体で覚えるしかない。豆は…
ぐっと軽い本を読んでみる。私も常にモノ(あるいは、モノの山)に囲まれてるほうの人間で、常にやりたいことがたくさんあったり、ファッションにこだわりがないから安くて良さそうだと思うと、対して愛着もない服をどんどん買ってしまったりする。たまに、…
読んだ―、読み切ったー。ものすごい熱量の大長編。読み切った私の満足感がこれなら、書き切った作者の達成感はどれほどのものだろう。もう、SFは三体シリーズだけ読めば十分、といってもいいかもしれない。いやもちろん、最近の中国系SFだけでも大変な傑作が…