2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

高樹のぶ子「透光の樹」193

なんとなく引き続き女性作家もの。官能ものとか言うと怒られるのかな。 共通点は裏表紙のあらすじに「肉」という一語が官能を表すものとして用いられている点。そこが嫌いだ!(嫌いなのは作家じゃなくて編集者かも) いや、もともとこの作家は好きなほうでし…

小池真理子「虚無のオペラ」192

例によってパパ'sライブラリから。 著名な日本画家の裸婦モデルをしている主人公も、もう46歳。彼女は盲目の妻をもつ8歳年下のピアニストと不倫してきたが、ついに別れを決意する。その理由は彼の妻の妊娠でも画家の自殺未遂でもなく、だんだん細っていく自…

佐藤正午「小説の読み書き」191

この本は小説家佐藤正午が、若かりし頃に読んだ歴史的な名作小説をあらためて読み直し、コンテンツではなくその文体表現に着目して表現の裏にある著者の意図を読み解こうとする・・・という本。読書のすすめなのか、小説を書くことのすすめなのか、どっちも…

佐藤正午「5」190

解説には「中年夫婦がかつての愛を取戻し・・・・・著者の最高傑作」と書いてあるので、まさかあのシニカルな著者が正統派感動的恋愛小説を書くことにしたのか?と思ったら、やっぱり違ってた。しかしエンディングは決してシニカルではありません。愛とスー…

佐藤正午「Y」189

連続3冊目。この本の初版は1998年、「ジャンプ」(2000年) の一つ前の長編小説です。ジャンプもミステリーだけどあっちはSFの領域には踏み込んでない一方、こっちはちょっと踏み込んでるので、読み進むうえでちがう心構えが必要かも。 感想:スリルとサスペン…