2022-01-01から1年間の記事一覧

小林真樹「食べ歩くインド 北・東編/南・西編」894・895冊目

誰なんだ、こんなすごい本が書ける人は? やっと最近、こじゃれたインドレストランでカレールーを使わない”スパイスカレー”と呼ばれるカレーを食べて、なにかちょっとイケてることをしてるんじゃないかと思ったり、大久保のネパールレストランで「地元っぽ~…

トマス・J・スタンリー&サラ・スタンリー・ファラー「その後のとなりの億万長者」893冊目

先日読んだ「となりの億万長者」の続編。これも、質実剛健な生活によってお金の心配のない人生をつかみ取った人たちについて調査研究した良書です。 個人的には、前著とこっちのどちらかを読めばいいような気がするけど・・・。 お金をたくさん持って贅沢な…

「地球の歩き方BOOKS・世界のすごい城と宮殿333」892冊目

地球の歩き方の本を”読んで、感想を書く”のも変な感じだけど、とても楽しいです。コロナ禍で海外が遠くなったけど、(いや、会社を辞めて収入が変わったことも大きいな)こうやって見てるのは楽しい。 聞いたことのある名前も多いなと思ったら、水曜日のカン…

バートン・マルキール「ウォール街のランダム・ウォーカー」891冊目

この本、2015年に書かれてからずっと、版を重ねながらどんどん更新されてるんだ。著者の努力が感じられます。お金の運用に関する本ってゴマンとあって私も何冊か読んだけど、これは特に真剣に調査研究した結果を冷静に分析した本だなと感じました。 何を調査…

イアン・スティーヴンソン「前世を記憶する子どもたち」890冊目

長年愛読している佐藤正午が、生まれ変わりが話の軸になっている「月の満ち欠け」という小説を書き、それで直木賞を受賞し、それが映画化されたのを先日見てきたところ。その中で、前世を記憶していると思われる子どもを持った親たちが参考書として手にする…

小松みゆき他「動きだした時計 ‐ベトナム残留日本兵とその家族」889冊目

年老いたお母さまを自分が住むベトナムに連れて行って暮らすことを中心に書いた「ベトナムの風に吹かれて」を前に読んで、すごいチャレンジだと思った。私が大げさに考えすぎてただけかな?それより、前は見逃してたのかもしれないけど、この本を読んで、小…

藤井孝一「超・個人事業主 なぜあの人は会社を辞めても食べていけるのか」888冊目

数年前から青色申告を行い、3年前に会社を辞めて自営業一本になった私としては、気になるタイトルです。ぱっと見、外国の本の翻訳みたいに見える表紙のデザインは、たぶん戦略なんだろうな。 なぜ私が会社を辞めても食べていけてるのか?と思ってる知り合い…

ひろゆき「誰も教えてくれない日本の不都合な現実」887冊目

Twitterでしばらくフォローしていたら、彼のフォロワーの反応が激しくて興味深かった。与党批判をしているときは、諸手を挙げて大絶賛してた人たちが、沖縄のデモのやり方を皮肉ったあとすごい勢いで攻撃したり。たぶん私のTwitter世界がかなり左寄りだとい…

山崎晴雄・久保純子「日本列島100万年史」886冊目

日本列島って、ユーラシア大陸の東端の湖が海とつながっちゃって、キワだけ残ったものなんだろうか。とふと思って気になってたまらなくなったことがあります。すぐ東に日本海溝があって、そこから先はずっと海だったはずだから。 そういうことも含めて、納得…

佐藤正午「月の満ち欠け」885冊目

<ネタバレあります。映画の詳細な筋の一部にも触れています。未読、未見の方はご注意ください> 映画を見たので、改めて読み直しています。どうも違う部分がたくさんあるなと思って。 映画のキャスト、大泉洋と柴咲コウ、有村架純、と聞くとわかりやすく作…

白尾悠「サード・キッチン」885冊目

どこかの書評で見て、読んでみました。 日本からアメリカの大学に留学した女の子が、異文化の中でもがき、悩み、もまれてダイバーシティの受容を学んでいく話。と理解しました。 よく構成されていると思う。主人公の女の子が学習していく過程に説得力もある…

トマス・J・スタンリー&ウィリアム・D・ダンコ「となりの億万長者」884冊目

経済関連でフォローしてる誰かが勧めてた本。意外に良い本でした。億万長者になるには、とにかく質素に暮らして蓄財し、リスクを恐れず投資すること。そのためにはお金の勉強も必要だし強い意志も必要。ケチで貧乏性な自分の背中を押されるようで嬉しくなっ…

リサ・ガードナー「噤みの家」883冊目

映画ばかり見てると、本を一冊読み切るのってエネルギーとか知力が必要だなと感じる。この本も文庫本で500ページ超。 とても面白かったし、登場人物ひとりひとりに肩入れしたくなる深い造形も、不幸で不運だけど力強く歩いていく姿勢も、とても読み応えがあ…

安壇美緒「ラブカは静かに弓を持つ」882冊目

JASRACと音楽教室の間のトラブルを元にした小説。だけど全然社会派ではなくて、音楽教室にスパイに行かされたその団体の内向的な職員が、音楽を取り戻し、自分の生きる道に気づくという人間ドラマとして書かれています。 その職員の長身でイケメンで無口で音…

エマニュエル・ドンガラ「世界が生まれた朝に」881冊目

高野秀行「語学の天才まで一億光年」を読んだら、この本を卒業制作にして最優秀賞を取ったと書いてあったので読んでみました。リアルなのか空想っぽいのか、西欧批判なのか地元批判なのか、はたまたすべてを認めているのか、価値観がひとつでなく移ろってい…

宝樹「三体X」880冊目

面白かったー!(最後のオチがしゃれてたので、読み終わった直後の満足感がすごい) これが、ファンが書いた二次創作だなんて信じられない。大中国の読書人の層の厚さが怖いくらいだ。宝樹の筆力を支えている知識や経験はどれほどのものなんだろう。 もとも…

高野秀行「語学の天才まで一億光年」879冊目

面白かった。この人の本はいつも面白い。冒険ではなく語学に主眼を置いて、今までの冒険を焼き直したような本なので、冒険には興味がないけど語学学習に興味があったり仕事上や学習上の必要のある人が読むかもしれない。(語学教材を作る仕事をしてたときの…

飯間浩明「小説の言葉尻をとらえてみた」878冊目

実際、小説を読んでいると、言葉尻というか枝葉末節に当たる部分の表現が気になることがよくあります。日頃から「なんて文章のうまい作家だろう」と思っている人の使う”珍しい”表現は、昔の言葉だったり、聞きなれた言葉の独自の組み合わせだったりして、私…

美濃羽まゆみ「『めんどう』を楽しむ衣食住のレシピノート」877冊目

あまり私が読みそうにない本、と自分でも思う。なんとなく読んでみたくなったのは、フルタイムの仕事を辞めて以来、どんどん油っけが抜けて、華やかな色合いや大きな柄の洋服を着るのが苦痛になってきたからか。(前は滅多に着なくても、あるだけでちょっと…

角田光代「くまちゃん」876冊目

確か「理想的本箱」という番組で紹介されてました。角田光代の本は多分1冊くらいしか読んでないけど、映画化されたものは「紙の月」「八日目の蝉」「愛がなんだ」のどれも印象に残ってて、リスペクトしてる作家です。 その作家がなぜ「くまちゃん」。気にな…

近藤麻理恵&スコット・ソネンシェイン「Joy at Work 片づけでときめく働き方を手に入れる」875冊目

3冊目は職場です。会社員の頃の私の机は常に散らかってました。「ぐちゃぐちゃ」ではなく、B4くらいの作業スペースの周囲を、重ねただけの書類の高い塔が取り囲んでいて、机の下は膝が入るスペースだけを空けた紙袋の海。少ない荷物、何もないデスクに憧れて…

近藤麻理恵「人生がときめく片づけの魔法2」874冊目

「1」を読んだとき、「100%同意するけど、洋服のたたみ方とか引き出しの整理のしかたとか、文字だけじゃわからないなぁ」と思ったら、その辺を図解した本がちゃんと続編として出てました。1を理解した人には、片付けコンサルタントか、いなければこの本が…

シヴォーン・ダウド「ロンドン・アイの謎」873冊目

ロンドン・アイができたり、テムズ川岸が再開発されてオシャレな街になった後はほとんど見てない。「テート・モダン」しか知らない・・・。1992年にロンドンのアールズ・コート近くに滞在してたとき、あの駅のどっちを出れば展示場に出られるのか迷ったのを…

近藤麻理恵「人生がときめく片づけの魔法」872冊目

この本、昔読んだことがあるはずだけど、NHKの「SWITH INTERVIEW」にこんまりさんが出演してるのを見て、改めて読んでみようと思いました。私の部屋は、会社を辞めた3年ほど前に片付けたはずだけど、やはりモノがあふれていて、すっきり片付いた部分は食器棚…

井上拓「SNS別 最新 著作権入門 「これって違法!?」の心配が消える ITリテラシーを高める基礎知識」871冊目

SNS上のコンテンツ著作権について書いた本は、見つけたら片っ端から読んでます。図書館で借りられるものは借り、良さそうだと思ったものは読み終える前に買う。そうやってこの本も、借りた当日に購入しました。 これってどうなんだろう?と疑問に思いながら…

アニー・エルノー「嫉妬/事件」870冊目

「シンプルな情熱」に続いて、先日ノーベル文学賞を受賞したアニー・エルノーを読んでみます。手元にあるのは表題が「嫉妬」だけの2004年版だけど、「事件」も併録されているのでタイトルは後に出版された文庫版に合わせて「嫉妬/事件」とします。 エルノー…

中野善壽「ぜんぶ、すてれば」869冊目

ずいぶん前に予約の列に入って、やっと手元に届いた。寺田倉庫がスゴイというのは聞いてたけど、カンブリア宮殿に出てたっけな、くらいで記憶が薄れかけてました。 最近は、上から目線で人生訓や長年の苦労を語る経営者が目立たなくなって、こんな風に「実際…

アニー・エルノー「シンプルな情熱」868冊目

恋する人間の女性の感覚を研究した論文みたいな小説だった。 脳梗塞の発作を起こした脳科学者が、自分を研究対象にした論文を書くのと同じだ。プロフェッショナルな研究者が、専門領域(この著者はフランス文学の教授資格を持ってる)に該当する事態に自分が…

室橋裕和「ルポ コロナ禍の移民たち」867冊目

「ルポ新大久保」がとても面白かったので、新作もさっそく読んでみます。 こっちは日本で暮らすさまざまな移民がコロナ禍のなかでどんなことに不自由したり、逆に奮起したりしているか、著者が日本各地へ出かけて行って直接体験し、お話をしてまとめています…

カレル・チャペック「マクロプロスの処方箋」866冊目

すっごく面白かった。カレル・チャペックがこんな戯曲を書いてたなんて、驚いてしまう。 彼の「山椒魚戦争」を読んだらファンになってしまい、RURやらダーシェンカやらも読んだしチャペック展にも行った。(※この間20年以上たっている)確かに彼は優れたスト…