本)社会科学

斎藤幸平「ゼロからの「資本論」」1053冊目

読み始めてすぐ、なんか記憶にあると思ったら、「100分de名著」の書籍化だった。番組テキストやテキストから派生したムックって、長く書店に置かれないし、そもそも学術的な内容が多いので、新書化するのはいいアイデアだなぁ。 「資本論」は読んだことない…

ジーン・シャープ「独裁体制から民主主義へ」1020冊目

「100分de名著」で取り上げたのを見て読んでみました。これって原作がパブリック・ドメインなんですね。著者ジーン・シャープは2018年まで生きたので、当然のように著作権が消滅したわけではなくて、本人が財産権を放棄したわけだ。テーマが非暴力革命で、お…

追跡団火花「n番部屋を燃やし尽くせ」1016冊目

まず賞賛と激励の拍手。まだ若い韓国の女性二人が、のちに警察や人権団体のサポートを受けるとはいっても彼女たちだけで、ここまでの戦いを成し遂げたことに感動をおぼます。と同時に、「無事でよかった・・・」。日本と同様韓国も、正義を貫こうとするもの…

地球の歩き方BOOKS「世界遺産の歩き方 学んで旅する!すごい世界遺産190選」927冊目

このシリーズを何冊か読んできたけど、中でもこれはカタログや教科書的に使えそう・・・世界遺産検定や、添乗員や旅行会社を目指す人なら。私自身、旅行関連の仕事をやることはずっと考えていて、文字ばかりの本では全然イメージが湧かないので、この本なら…

室橋裕和「ルポ コロナ禍の移民たち」867冊目

「ルポ新大久保」がとても面白かったので、新作もさっそく読んでみます。 こっちは日本で暮らすさまざまな移民がコロナ禍のなかでどんなことに不自由したり、逆に奮起したりしているか、著者が日本各地へ出かけて行って直接体験し、お話をしてまとめています…

室橋裕和「ルポ新大久保~移民最前線都市を歩く~」865冊目

新大久保、先日もベトナム料理を食べてきました。行くたびに、どの店で何を食べたらいいか悩む。が多すぎて苦手って思ってたけど、いつの間にか気軽に行ける町になってた。一時期「ギー」を買いにイスラム横丁に通ってたのと、大久保図書館をたまに使うよう…

岸政彦・編「東京の生活史」847冊目

この人の本は何冊か読んでとても好きなんだけど、読むと、とてつもなく切ない気持ちになることがある。自分が見ないようにしている自分の暗さを思い出して、空騒ぎして自分で自分をなんとか楽しませようとしてる自分がむなしくなってくる。 この本でも、東京…

川口加奈「14歳でおっちゃんと出会ってから、15年考え続けてやっと見つけた『働く意味』」831冊目

テレビでこの人の活動を紹介してるのを見た。「プロフェッショナル」かな? 子どもといっていい年齢でホームレスということに出会って、即ボランティアを始め、その後ずっと彼らを知り、彼らのことを発信し、彼らと共存するための活動だけに邁進している女性…

岸政彦「はじめての沖縄」817冊目

このタイトルで、旅行ガイドだと思って読む人がいるんだろうな(笑)。本屋の店頭なら、売り場でわかるだろうけど、私みたいに図書館で借りる人は、タイトルくらいしか情報がないから。間違って読む人を意図したタイトルなのかな? 感想をいうと、私自身の中…

武田砂鉄「偉い人ほどすぐ逃げる」795冊目

武田砂鉄は、テレビで話しているのを見て、そのきっぱりとした弁舌の一貫性が印象的で著書を読んでみたいと思いました。 この本でも立場は一貫しているし、主張にはぜんぶ納得できる。でも読んでてだんだん暗澹たる気持ちになってくるのは…この人のせいじゃ…

岸政彦「断片的なものの社会学」771冊目

学問ってふつう、ランダムに見えるものを膨大に集めて規則性や普遍性を見出すことだ。数式ならそれでいいしそれが役立つんだろうけど、ビジネススクールのようなものに通ってたとき、講師の書いた”成功の一般法則”の本に出てくる会社の不正が報道されたり買…

大西連「絶望しないための貧困学」760冊目

去年の11月に読んだ「すぐそばにある『貧困学』」の新書版でしたね。手に取ってから気づいたけど、大西さんの高校生の頃から「もやい」初期に至るエピソードが中心なので、内容が古くなっていないし、コラムで引用している統計データは更新されています。単…

リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット「ライフシフト 100年時代の人生戦略」699冊目

クローズアップ現代で取り上げられてリンダさんがインタビューに答えていたのが印象的だったので、さっそく読んでみました。 こういう本ってどうしてこう厚いんだろう…。なんとか短くする方法はないんだろうか。アメリカ人って日本の人より一般的に単刀直入…

トーマス・セドラチェク&デヴィッド・グレーバー「改革か革命か」696冊目

「ブルシット・ジョブ」が面白かったので、デヴィッド・グレーバー関連の本をさかのぼってみる。この本はチェコの経済学者トーマス・セドラチェクとの対話。ものすごく簡単にまとめると、二人とも今の経済社会はおかしいと思っていて、セドラチェクはそれを…