2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

又吉直樹・ヨシタケシンスケ「その本は」1037冊目

面白い。あの又吉直樹とあのヨシタケシンスケがコラボしてる。二人とも、じわっ、クスシ、しみじみ、とくる可笑しみのある作家で、それにあの、なんともいとおしいイラストがついて、とても立派に装丁されている。中身は「その本は」で始まる、本をめぐるユ…

「須賀敦子の手紙」1036冊目

これは、最近読み漁っている須賀敦子関連書籍のうち、彼女が親しい友人夫婦に宛てて書いた個人的な手紙を集めたもの。エアメールの表書き、裏面の筆跡も含めて、なにもかもさらしています。 名前くらいしか知らない人の自宅を、いきなり覗き見しているような…

大竹昭子「須賀敦子の旅路」1035冊目

やっとここまできた。 「1万円選書」に当たってこの本が送られてきたのが2022年の1月。2年も寝かせてしまったのは、軌跡を訪ね歩くと言われても、そもそも須賀敦子を知らない。知らない人の軌跡を訪ねる本を読むなんて、ヒントなしに暗号を解こうとするよう…

須賀敦子・文、酒井駒子・絵「こうちゃん」1034冊目

須賀敦子が書いた童話がある、それを絵本にしたものが日本で出版されている、というので調べて読んでみました。絵は私の大好きな酒井駒子です。 「こうちゃん」。「こうちゃん」って誰だろう。座敷わらしだけど室内より屋外によく出没する。神出鬼没で、人の…

Max二宮「ふわっと速読で英語脳が目覚める!」1033冊目

この著者は、10年前から自分の経験や研究から独自の「英語速読」のセミナーを立ち上げていて、私もこの「英語速読」講座をちょっとだけ体験してみたことがあります。私の場合、英語はもちろん日本語の本を読むのもゆっくりな方で、以前はたくさん本を読む人…

湯川豊 編「須賀敦子エッセンス2 本、そして美しいもの」1032冊目

「エッセンス1」を読んだあと、ずっと頭のなかでこの人のことを考えていた。いったいどんな人だったんだろう。周囲の人たちから愛される可愛らしい女性だったと思うけど、自分を高くも低くも見ない、他者のことを書いてもあまり感情を出さない。独力でヨー…

井上真偽「聖女の毒杯 ‐ その可能性はすでに考えた」1031冊目

ギラッギラにラメを漉き込んだ紙が表紙に使われていて、文字が読めん(笑)! 新しい若い作家さん、かと思って読んだら(私から見れば十分若くて新しいけど)2016年発行、ということはもう8年も前。著者は年齢性別不明とのことだけど、毒婦の表現がとてもリ…

ミステリーアンソロジー「不在証明崩壊」1030冊目

忙しい時期に、「あーもう!」と一瞬仕事を投げ出して、電車の中やカフェのベンチで短時間で読めるこういう短篇集って、大好き。特にこれは最初の刊行が1996年、”イヤミス”という言葉がまだなく、弱者いじめがミステリーに登場しない、自分と同世代だと感じ…