井上真偽「聖女の毒杯 ‐ その可能性はすでに考えた」1031冊目

ギラッギラにラメを漉き込んだ紙が表紙に使われていて、文字が読めん(笑)!

新しい若い作家さん、かと思って読んだら(私から見れば十分若くて新しいけど)2016年発行、ということはもう8年も前。著者は年齢性別不明とのことだけど、毒婦の表現がとてもリアルで細かいので女性かなぁと想像します。井上しんぎと書いてまぎ、か。荒野さんとか真偽さんとか、名前じゃないような名前の井上さんが何人もいるなぁ。

それはいいとして、中身ですが、とても面白かったです。したたかなのか間抜けなのかよくわからない大女フーリン、名探偵マイナス1みたいな青髪の探偵、コナンを卑屈にしたような子どもキャラ、等々、人物がどれも新鮮。トリックはともかく動機に感情がないし探偵の人間洞察が表層的なあたり、書いたのはアガサ・クリスティみたいな人を知り尽くした老女ではなくかなり若い人だなと思うけど、彼らがスクリーン上でガチャガチャと騒ぎを繰り広げるところを見てみたいなと思います。(とっくに映像化されてるらしい)