忙しい時期に、「あーもう!」と一瞬仕事を投げ出して、電車の中やカフェのベンチで短時間で読めるこういう短篇集って、大好き。特にこれは最初の刊行が1996年、”イヤミス”という言葉がまだなく、弱者いじめがミステリーに登場しない、自分と同世代だと感じられる時代の作品なので、当時のワクワク感を思い出しながら楽しんで読みました。
トリックは今読むと「おお!」というほどの意外性はなかったけど、読み物としてどれも面白かったですね。様々な作家さんのアンソロジーなので、ひとつひとつの感触が違っていて、高級アソートチョコのような楽しみがあります。
こういう、少し昔の(若い人から見れば大昔か)本ってなかなか見つけにくいのですが、また探して読んでみようと思います。