2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

室橋裕和「ルポ新大久保~移民最前線都市を歩く~」865冊目

新大久保、先日もベトナム料理を食べてきました。行くたびに、どの店で何を食べたらいいか悩む。が多すぎて苦手って思ってたけど、いつの間にか気軽に行ける町になってた。一時期「ギー」を買いにイスラム横丁に通ってたのと、大久保図書館をたまに使うよう…

筒井康隆「残像に口紅を」864冊目

いいなぁ筒井康隆。年とったら、映画「ハロルドとモード」のモード婆さんのようになりたいと思ってる私ですが、男だったら筒井康隆もいいなぁ。誰の言うこともきかず、面白いことをやり続けたいもんです。 この小説も大笑いしながら読みました。表現から徐々…

今村翔吾「塞王の楯」863冊目

これは面白かった!すごいですね、この作家。城壁が複雑な職人技で作られていることは知ってたけど、その世界をここまでふくらませて構築するとは。大変読み応えあり、先を急いで読んでしまうエンタメ性もあります。変な比較だけど、最近の中国SFの強豪たち…

桜庭一樹「少女を埋める」862冊目

小説には、事実関係や登場人物たちの気持ちをくっきり明確に描くものと、ぼかして描くものがある。「少女を埋める」は自伝的小説なので主人公から見た事実と彼女自身の気持ちは明確だけど、それ以外の人たちは他人として描かれるので事実関係も気持ちも明ら…

ケニルワージー・ウィスプ(J.K.ローリング)「クィディッチ今昔」861冊目

ちょっと調べものをした関連で、こんな本があることを知って、読んでみました。伝統的なスポーツの本として普通に面白かった。世界をひとつ、ふたつ、ゼロから創造してきたんだもんな、ローリングさんは。世界中の老若男女がすっと受け入れて共感して感動で…

朝倉かすみ「平場の月」860冊目

ふしぎな味わいの本だと思った。 舞台は埼玉の中くらいの大きさの町、登場人物は印刷会社の男と病院の売店でパート勤務している女。お金がないから、と言って、女の家で家飲みをする。外食するときも駅前の焼き鳥屋。なんだか侘しい。読んでる自分と似たよう…

ピーター・ボグダノビッチ「映画監督に著作権はない フリッツ・ラング」859冊目

この挑戦的な邦題。原題がこの本のどこにも書かれてないのであちこちググった結果、「Fritz Lang in America」という、当たり前すぎるタイトルで拍子抜けしました。でもこっちのほうが聞き手の、普通のアメリカを情緒豊かに描くピーター・ボグダノビッチらし…