2008-01-01から1年間の記事一覧

宮永博史「顧客創造実践講座」148

「セレンディピティ」「ひらめきを生む発想術」に続いて3冊目に読んだ同筆者の著作です。今までの2冊はセレンディピティとひらめきという、時間をかけて徐々に感覚を身につけていくものについてまるごと1冊ずつかけて書いてありましたが、今回はひとつの事業…

東野圭吾「殺人の門」147

4冊目。 感想。・・・夏目漱石「こころ」を思い出した。「殺人の門」ってくらいなんだから、「青春の門」とかを思い出すべきなのかもしれませんが、読んでないので、ごめん。 頭から最後まで、Stream of consciousness、男の内面の独白。そして「こころ」で…

東野圭吾「幻夜」146

連続3冊目だ~。 この「幻夜」は「白夜行」の続編的作品らしい。パラレルストーリーのようでもあります。 読み応えはあるけど、読中感がすごく悪いところはどれも同じ。今回の解説者、黒川博行も書いてるけど、ディテールがよく書けてて自然なので、「え~~…

東野圭吾「悪意」145

「白夜行」にすぐに続いてもう1冊。なかなかaddictiveな作家です。 今回は体裁が凝っていて、容疑者と刑事の手記を章ごとに交代で見せていくという展開がスリリング。何度も何度もどったんばったん「大どんでん返し」を繰り返しつつ、真相に迫っていきますが…

東野圭吾「白夜行」144

はー、重かった。 手が疲れた、だって文庫本1冊で854ページもあるんだよ・・・ じゃなくて、内容が。(←長い) 思えばこの人気作家の本を読むのは初めてでした。この本も表紙が綾瀬はるかと山田孝之で、なにやらトレンディなイメージも少し持ってたんだけど…

トム・モリス「アリストテレスがGMを経営したら」143

先生のご推薦で、ちょと前(1998年)の本をAmazonで買った。どの先生だったっけなぁ・・・。 Amazonの感想はマチマチだったけど、読んでみたらなかなかよかった。 アリストテレスがGMの社長に収まって、朝「おはよう!」から始まり、役員会とか取引先との交渉…

「オーダーメイド・イン・キョウト - 京都でおあつらえ」142

カスタムメイドというジャンルで、また一冊。これは一般消費者向けのオーダーメイドカタログ本です。 オーダーメイドとかカスタムメイドといってもいろいろあって、掲載されてるオーダーメイドシャツやギターは完全なオリジナルだけど、名前を入れてもらうだ…

岩淵明男「驚異のパーソナル・オーダーメイド ビジネス」141

カスタムメイドということに興味があって、関連する書籍をたくさん買って徐々に読んでます。およそアカデミックな本というのが見つからなくて、これも流行本みたいなもんなんだけど、一通り。 家に猫が来たんで最近じっくり本を読む時間を作るのが難しくて。…

アラン・ケイ 140

真打ち登場!って感じですかね。 1992年発行だけど、アラン・ケイの昔の論文(1977-1983)を集めて資料を追加したものなので、一番古いものからもう30年たっています。しかし陳腐化した印象はありません。パーソナルコンピュータ業界で飯を食っている人は一度…

エヴァン・I・シュルツ「発明家たちの思考回路」139

教授からの借り物です。いつ借りたか思い出せない、、、 この本は「発明家」と呼ばれるビジョナリーをたくさんピックアップして、彼らの発明のひらめきがどうやって生まれたか、どうやってそれを育てていったか、ということを、分析というより逸話として収集…

諸田玲子「恋縫」138

ううむ、女は怖い! 4つの短編を収めたコレクションですが、どれにもファム・ファタール、妖婦ってやつが出てきます。 性根がよかろうと悪かろうと、騙す気があろうとなかろうと、男を惑わせて奈落の底に突き落とすという点では同じ。男も懲りずに次から次…

逢坂剛「カディスの赤い星」(上・下)137

大娯楽長編ミステリーでした。上・下で長いんだけど、あっという間に読み終えた。 日西テロリストによるスペインの総統暗殺計画とフラメンコギターを2つの軸に、恋愛あり親子の情あり秘密あり犯罪あり・・・盛り沢山です。映画化したら盛り上がりそう。 ハ…

中根千枝「タテ社会の人間関係」136

産業集積論ってのを今年の4月からすこし勉強してたのですが、 伝統的な産業のある地域に大学と大企業とその周辺企業を集めても、産業集積が起こって継続していくとは限らない。条件ではなく、なにか”マジック”みたいなものが必要だとしか思えなくて、そうで…

藤野仁三「特許と技術標準」135

改めてちょっと標準化のお勉強をすることにしました。で、これが参考書その1。 筆者は知財畑の法律家で、だからなのか、いままでの自分の経験とぴったり重なってうんうんと実感でき、面白かったです。内容はタイトル通り、公共性の強い標準化と独占排他権を…

逢坂剛「よみがえる百舌」134

面白かった。これは「百舌の叫ぶ夜」の続編なのですが、本編より評価高くなってますね、私。 ハードボイルドだけど、主人公が気骨のある女性なのがいいのかな。白髪交じりの年上の男性との恋も、ほほえましい。登場人物が生きてるし、展開がスリリングでどん…

村田喜代子「八つの小鍋」133

村田喜代子の小説はつかみどころがなくて、たぶん作者も意図してるんだろうけど、ボケ老人の話を聞くともなく聞いてるような感じだ。「鍋の中」以来ずっと、現実と創造の境目をわからなくすることに血道をあげてる。と同時に、「熱愛」では、突然消えてしま…

ぱーぷる「あしたの虹」132

いやーびっくりした。 私も好きなあの大作家僧が、こんなものを書いていたとは!私(←オバサン)としてもケータイ小説デビューです。 昨日の日経夕刊ではじめて知って、さきほど一気にPCで180ページ読み切りました。重さとしては「サザエさん一冊」程度でし…

向田邦子「思い出トランプ」131

向田邦子は私にとっては、昔は「寺内貫太郎一家」、今は「向田邦子の手料理」で、この人の本を読んだことは実はなかった。お弁当の本を買ったら、曲げわっぱに玄米飯を詰める人たちがみんな「向田邦子の手料理」をお手本にしてるというのでその本を買い、買…

ジョナサン・サフラン・フォア「エブリシング・イズ・イルミネイテッド」130

昔だったらこういうタイトルは邦訳するもんだが、カタカナでそのまま出しちゃうところが、洋楽のアルバムタイトルみたいだ。 (映画化されたものは日本で「僕の大事なコレクション」というタイトルで公開されて、案の定ぜんぜんヒットしなかったみたい)(注…

常盤文克「ヒトづくりのおもみ」129

121、124につづく「モノ・ヒト・コト三部作」の最後。 面白かったです。3冊目にもちゃんと新しい発見があります。 3冊読むことでやっと見えてくる作者の特徴も、あります。 たとえば。 p33 英国のオックスフォード、ケンブリッジ両大学では、「いかに下手に…

門田泰明「美貌のメス」128

うーん、これは・・・なんてつまらない本を読んでしまったんだろう。 きっとこれは、サラリーマン向けの退屈しのぎとして書かれたのだろう。 美貌で超ナイスバディの敏腕女性外科医が、男性医師のネタミやソネミを受けつつも、小児患者に母のような慈愛のま…

「千葉ロッテマリーンズ 変革の300日」127

私は元々野球に限らず、競技スポーツ全般にうとい。だから以前のマリーンズがどういう球団だったのか知らない。でも、プロ野球を観に行ったことがないわけじゃないんだ。だから、人があんまり入ってなくて盛り上がらない球場と、観客が心から楽しんでる球場…

大野耐一「トヨタ生産方式」126

いまさら、と言わずに読んでみました。トヨタ生産方式に一生をささげた著者の思いの詰まった名著です。 普通だと、やっぱすごいよトヨタ、とあくまでもポジティブに読むんだけど、最近知り合いがたまたまトヨタの工場見学に行ってきた話や、そこで働いていた…

浦沢直樹「20世紀少年」125

前にいちどネットカフェにこもって読んだんだけど、完結してから改めて読み直してみました。(滞在7時間)いつもながら、この人の作品はスケールが大きくて読みごたえがありますね。 しかし、タイトルが20th Century Boyでしょ、主人公の名前がズバリ遠藤ケ…

常盤文克「コトづくりのちから」124

「モノづくりのこころ」に続く第2弾。「コト」とは形のある「モノ」に対して言葉や暗黙知といった、形のないものを広く指すことばとして、ここで取り上げられています。たとえば、人々が力をあわせて力を発揮できるようになるきっかけや、意識、目標、といっ…

ゼロから学ぶWebプログラミング(日経BPパソコンベストムック)123

いやー勉強になった。 わかったことは、Webプログラミング技術は日に日に進歩している、とか言うけど2004年に出たこのムックですでに現在メジャーである技術はほとんど確立されてたということ。 例えばPHPのバージョンはこの時点で5.0が出たばかりで、使われ…

木下半太「悪夢のエレベーター」122

駅ナカの本屋の店頭に平積みにされていて、つい出来心で買って読んだ。 自分でひまつぶしの文庫本を買うのは、ひさびさだー。 偶然エレベータに閉じ込められた?人々が繰り広げるドタバタ劇、どんでん返しに次ぐどんでん返し、どんな人にも秘密あり、とって…

常盤文克「モノづくりのこころ」121

3部作をとうとう読み始めました。まずは1冊目を読破です。 この方の本は、 2年半も前に一冊読んだことがありました。そのときも妙に「気が合った」というか、すーっと入ってきて腑に落ちるところがあったんだけど、今回もするっと入ってきて私の中の床の間の…

マイケル・E・ポーター「競争戦略論Ⅱ」120

有名な「競争の戦略」は、じつは買っただけで読んでないので、これが初めて読んだポーター(なんと!) しかも第1章「国の競争優位」と第2章「クラスターと競争」以外はナナメ読みしただけです。 しかし、この人の書く「ダイヤモンド」っていう図はどうして…

本多孝好「FINE DAYS」119

表紙はモダンでシンプルなイラスト、一見したところ夏の海が舞台の女子中高生向けの小説のようです。 中身も、目立たないけどちょっと変わった男の子と、カンの鋭い美少女が授業をさぼって屋上でタバコを吸ってたりして、青少年小説の様相がたっぷりなのです…