逢坂剛「カディスの赤い星」(上・下)137

大娯楽長編ミステリーでした。上・下で長いんだけど、あっという間に読み終えた。

日西テロリストによるスペインの総統暗殺計画とフラメンコギターを2つの軸に、恋愛あり親子の情あり秘密あり犯罪あり・・・盛り沢山です。映画化したら盛り上がりそう。

ハードボイルドものは主人公の語尾がつねに「xxxなのさ」、みたいな虚構感がありますが、いいんです娯楽だから。男の人はこういうフィクション感が心地いいのでしょうか。

印象に残ったのはヒロインのはかないキャラクター設定。女の私でも「なんでここで泣くか」といぶかるような場面が多いけど、そういう現実感のない、実は里のワラベのように純真なキャリアウーマンというのも実際はいるのかもしれない。なにやらとにかく保護本能を刺激するヒロインでした。

そんなところで。