東野圭吾「悪意」145

白夜行」にすぐに続いてもう1冊。なかなかaddictiveな作家です。

今回は体裁が凝っていて、容疑者と刑事の手記を章ごとに交代で見せていくという展開がスリリング。何度も何度もどったんばったん「大どんでん返し」を繰り返しつつ、真相に迫っていきますが、犯罪の「動機」をテーマとしたという割に、最後の最後に行き着いたその「動機」に拍子ぬけしてしまって、「え、もう終わり?」と思いました。他の人はどう思ったのかしらん・・・とAmazonを見ると、だいたいは絶賛で、苦言を呈してるものもあるけど少数。ふぬー。

犬を保健所に「殺された」といって、保健所に連れて行った父親への恨みを官僚への恨みへと転嫁して、用意周到な犯罪を行ったという事件。仕事上のストレスで無差別殺人へと向かった犯罪も最近いくつも見ました。積年の悪意やウラミツラミによる犯罪って、現実にはああいう風に、どこかストレートではなく全然関係ないところに向けられるという印象があります。現実に耐えられない人の逃避先としての犯罪は、重すぎる身の回りの現実じゃなく、まったく関係のない仮想現実の中のワルモノの退治という形をとる、ってのが人間におこりがちな心の動きなんじゃないかと。

ちょっと納得できないまま、続けてさらにもう1冊読んでみます・・・。

(父親がもっと直木賞受賞作とかも買う人だとよかったんだけど、家にあるのはどれも若干マイナーな作品ばかり・・・。)