友井羊「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん~巡る季節のミネストローネ~」1055冊目

とても人気のあるシリーズと聞いて、読んでみました。「殺人事件が起こらなくても面白いミステリーは書ける」が証明された!と嬉しい気持ちになります。

登場人物がみんなすごく好感が持てます。魅力的だけどありえないほどのフィクション感がなく、常識が通じる、きちんと暮らしている人たち。名前もひねりすぎてないし。トリックは、本格ミステリ好きな人には、あっさりしすぎているかもしれないけど、これなら老若男女誰でも楽しく読める、という意義はとても大きいと思います。

この巻では店主の麻野と常連客の理恵のロマンスが頂点を迎える場面があって、そこの扱いも丁寧でよかったです。

え この方男性なの?

つい画像をググってしまったら、理恵のほうじゃなくて麻野に近い人が現れました。なんとなくだけど、この人の書くものなら、これからも安心して読めそう。(怖い描写や悪趣味なネタはきっとあんまりないだろう)

このシリーズはこの本で完結してしまったようだけど、長時間電車で移動するときとかに2冊くらい持って行きたいなと思いました。どんな人にもおススメできます。