クシシュトフ・キェシロフスキ&クシシュトフ・ピェシェヴィチ「デカローグ」1045冊目

とっくに絶版になっていて古本価格が4000円超になってる。図書館にはあって、予約数0人でした。みんなもっと図書館行けばいいのになぁ。

映画版は「殺人(5)」と「愛(6)」の劇場版しか見てませんが、新国立劇場の舞台を今1~4まで見たところ。のこり4本ともいえる中途半端なところですが、間が空いてしまって、次の舞台まで待てずに読んでみました。脚本をもとにノベライズしたものだと思いますが、映画でも舞台でも気づかなかったトリビアが散りばめられているような。舞台って一回こっきりだから、いろいろ見落としてるかもしれなくて、本と見比べながら何度も見たい気がしてきます。

7~10もいずれも人はろくでもない落とし穴に落ちては失敗し、後悔し、長年にわたってさいなまれ続けます。ぬか喜びしたり、愛を確かめ合ったり。…とここまでは他にも同様の映画はたくさんあるんだけど、この映画の「神の視点」はなにかすごく温かくて、本を読み終わってもやっぱり、安易な救いはないのに包み込まれるような気持ちになって、人間って嫌いじゃないなと思える。希望、なんだろうか、この人たちにあるのは。同じポーランド出身の映画監督でも、ポランスキーアンジェイ・ワイダの作品とも違う。

映画をたくさん見るようになったばかりの頃は、テレビで放送されるものぜんぶ録画したり、名画座で1日に2本ずつ見たり、どんどん数を積み重ねていったけど、年をとってくると、この先何本ゆっくり映画を見られる時間があるかな?とも考える。好きな映画を何度も何度も見る幸せが、この監督の作品でなら得られる気がします。