あーー面白かったーー!
電車の中でカバーもつけずに読んでいたら、B級かC級くらいの感じのエロ小説が始まったので困ってしまった。いろいろ戸惑う部分もたくさんあったけど、まずはあまりの面白さにあっという間に読み終えてしまったことを書いておきたいです。
NHKの障碍者バラエティ「バリバラ」のことが具体的にこの本のなかでも触れられているけど、まさにあの番組的な面白さ。ただしあの番組には、心優しいMCがいるけど、ここは無法地帯。この本を読むのは、バリバラを一度も見たことのない大人や子どもには早すぎます。番組内で触れたのはせいぜい男性の性の話題で、女性についてここまで掘り下げたことはないんじゃないかな?
露悪的というか偽悪的な感じもありますね。わざと激しく下品な場面を描く。それでも表現のしかたは下品ではないです。目的は劣情じゃないから。ピンク映画から始まって日本の巨匠となる映画監督みたいに(いるかどうか知らないけど)、より普遍的なものをこれから書いていける書き手だと思います。体の痛みに耐えてもっと書けなんて残酷なことは言うべきじゃないけど、私は読みたい。
紙の本にこだわるのは「マチズモ」だという箇所は、読んでてちょっとスカッとしました。自分の感覚としてはマチズモというと自分の考えを押し付ける感じだけど、むしろ選択肢が多い者のおごり、のほうが近い気がするかな。私は紙の本の体裁や表紙が好きだし、大好きな本を所有する喜びもわかるけど、荷物が増えるのがすごく嫌だし、古い本は劣化が激しくクシャミが出るものもある。本はできるだけ図書館で借りるしCDも買わなくなった。映画も、映画館で見なければ映画じゃない、と言う人がけっこういるようで、紙の本に近いものがあります。腰が悪いし若干閉所恐怖症で、動けず座っているのが辛い私には、家で好きな体勢で見られるVODやDVDがありがたいんですよ。そもそも私が見たいような、ちょうど誰も見なくなった昔の流行作品なんて東京のどこを探しても上映してない。以前はDVDも見つからずVHSを借りたり図書館でレーザーディスクを見たことさえある。映画を映画館でしか見ない人は、基本、新しい作品にしか興味がないんだろうか?
脱線しました。ともかく、「してやられた」と感じるくらい、自分が作家になったらこういう衝撃のある作品が書きたいと思うくらい、面白かったです。