田口ランディ「モザイク」352冊目

三部作の完結編だそうです。
今度はエログロは全くありません。少年と若い女性の強くて繊細な冒険ストーリー、という印象でした。
”まもなく渋谷の底が抜ける、渋谷は完全に電子レンジ化する”
というキャッチコピーですが、街を縦横無尽に駆け巡るのではなく、登場するスポットはスクランブル交差点と、歩道橋の上と、地下水路。と、渋谷上空。宗教的、精神的な内向きの世界が広がります。

 

が、小説の読後感は前2作と比べてあっさりしていて、「すでに煩悩が消え去ったあと」から始まった物語という印象でした。面白かったけどね。