大場つぐみ・小畑健「Death Note」54

学校の夏休みには宿題があるけど、春休みにはありません。ブラボーです。浮かれてマンガ読んでます。ミステリーもAmazonで6冊注文してみました。たまりにたまった未読ビジネス書の山(20冊超)はどうするんだ。

で、デスノート。話題作です。12巻ぜんぶ読んだけど1カウントにしといてやるよ。(←誰に言ってるのか?)映画化もアニメ化もされました。主演はこの手のエキセントリックな主人公といえば定番すぎる藤原達也だけど、他の共演者が誰もついていかないんじゃないかなぁ・・・見てないからなんともいえないけど。あと、レッチリは全然合わない。韓国ドラマのセンスだよ、それ。

マンガの感想ですが、面白かったよ!最初、またありがちな、不健全なだけでとりとめのない、引いた伏線を自分で処理しきれない若い作家の作品かなぁ~と危惧したけど、最後まで読んだらよく練ってあった。読後感も悪くない。まともな神経の人間ならこうなってほしい、と思うような幕切れと、もしかしたら続編があるかも?という線をすこし残しておく感じ。

なんとかミステリー大賞新人賞くらいの完成度はあると思う。

小畑健って人は絵に力があるね~。わたしの想像力をもってすると、おそらくこれは原作を小説の形で読むより、この人が描いたマンガでよかった。キャラクターが人間に見えてくるのだ。

一般的なことをいうと、マンガの読後の効果(カタルシスっつの?)の中には、「万能感」ってのがあるんだ。

困難な状況を自助努力によって脱し、最後に、自分が期待していた勝利を収めるっていう経験をバーチャルにして、よしっ自分も思い切ってがんばってみよう!と思える。これはビジネス書では得られない。小説とかTV、映画でも得られるとは思うけど、作り方にもよるだろうなぁ。映画は与えられる情報が多すぎて自分の想像力が刺激されないという人がいるけど、マンガだって色や音や動きはないにしろ小説よりは情報が多い。でもマンガの「中に入り込める効果」が絶大なのは、一人で布団にもぐって(あるいは半畳のマンガ喫茶個室で)読めるからかしら。映画だとビデオでももーちょっと広いところで見るからなぁ。・・・この辺は個人差もかなりあるでしょうね。

わたしはこの「万能感」効果が、かんちがいした犯罪を助長してると言われたら否定しないけど、ポジティブにももっていけると思うよ。ただし、少なくとも、書き手側が成熟した大人であって、ただ刺激を強くしたり麻薬的な効果を高めるためにネガティブなものや暗いものをとりあげるんじゃなくて、自分の書きたいものを持っているということが前提だよね・・・。

同じ著者+違う原作者の「ヒカルの碁」も面白かったけど、幽霊と死神っていう超現実的素材を両方とも扱ってても、こっちの方がよくできてた。

この原作者+著者の組み合わせで次の作品を読んでみたいですね。

(PS 原作をマンガにした人を「著者」っていうのね。二次著作物だよね。キャンディキャンディ事件とかもあるから、マンガの著作権の話を、IP研究会のネタにしてもいいかも・・・)