こないだこの著者の講演を聞いてきました。日本は赤字国債を発行しすぎている。国の累積赤字がすごいことになっている。地震に引き続き原発事故も起こり、日本の対外的な価値は下がっているはずなのに異常な円高が続いている。→円安が進み、日本は本来の姿に戻る。…ということは、ものを知らない私もうすうす気づいていましたが、講演会で藤巻氏は、国債の「未達」(売り出した分が全部売れず残ってしまうこと)が起こった途端に劇的な円高とインフレが起こると警告を発していました。しかも3月と同じくらいの地震と原発事故が再び起こって、東京に住めなくなる恐れもあると。そこで今なんぼかでも動かせる資産がある人は、外貨にしろ!外国株を買え!と強く警鐘を鳴らしたのでした。
ふむー、そうかも、とにかくこんな先が見えない時代はリスク分散が重要なのは確かだわ…と思い、わずか1時間の駆け足の講演を補うべく、最新の著書をゲットしたわけですが。それほど具体的な背景や見通しが得られたという気はしないのが正直なところです。
電気代を大幅に上げるべきだ、ということを訴えても、この人はその方面では一般人だし、本に書いたところで政策や電力会社の方針を決める人は気にも留めないでしょう。あくまでも一般投資家に対して、持っているお金の運用を決めるための、背景の事実と分析、将来の見通しだけを書いてほしかったです。もっともっとデータを載せてほしかったし、分析結果と考えは別にしてほしかったです。
講演を補足する情報はほとんど得られなかったけど、リスクヘッジには同意するので今後お金がたまったら(将来かい!)意外としぶといドルとか韓国企業株とかに投資してみたいと思います。というわけで、私としては、この人の講演会や運用方針にはagreeだけどこの本はあんまり買いじゃないです。