探したらメモが見つかったので、さっさとアップしよう:
面白かった。
この本は戦略分析うんぬんの本ではありません。外資系企業を主クライアントとする人材コンサルティングファームが、日本の外資系企業の社長12人のインタビューを本にまとめたものです。12人の社長の講演会に参加しているようなもので、ある意味バラバラなもののコレクションに過ぎないのですが、単純に面白く読めます。
彼らのキャリアには共通点も多く、典型例としては日本企業からキャリアをスタートし、企業派遣でMBAを取得し、帰ってきてから何度かコンサルティングファームなどの外資系企業の転職を経て、役員レベルで今の会社に入る・・・というパターン。
と書くと普通なんだけど、なぜ面白いかというと、たぶん生い立ちから学校、以前の会社などについても現在の仕事と同じくらい詳しく書いてあって、人間が見えてくるからじゃないかなぁ。共通点がいろいろと見えてくるから不思議です。
以下は例によってそれぞれの感想とメモ:
日本コカコーラ会長 魚谷雅彦
コカコーラって日本最大の外資系企業なんだって。他社に抜かれることがあっても、各種トップ10の常連。魚谷氏は入社早々「ジョージア」で飯島直子を起用してブームを引き起こした人だそうで。
P19、CMの試写会で電気を消して画面を見ようとするので、つけさせた。「真っ暗にしたら、当然きれに見えるんです。でも、普通の家庭で見ている感じでやらないと評価なんかできない。」
p20「キャリアについて、事前にしっかりと計画を立てる人がいるようです。でも、僕は決してそうじゃなかった。実際、行き当たりばったりです(笑)。」でも、「日々の仕事だって何度も壁に当たってきた。・・・でもあきらめない。頭がパンパンになるくらい、いつも考えていた。」
p21「そもそも外資系なんて言葉があるのは、日本だけなんですよ。」
マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング社長 柴田励司
学生時代は自分で劇団をやって評価も得て、映画関係の会社に就職も決まっていたけど、3月31日に内定取り消しにあってホテルに就職・・・というキャリアの持ち主です。
P39~学生は日本の会社なんてつまらないという「予習文化の弊害」。四の五の言わずに仕事するというのも薄れてる。
P41 早く選抜される人は第一志望に入社していない。修羅場を経験している。異文化経験。
日本オラクル社長 新宅正明
ヤンセン ファーマ社長 関口康
P72 上司が悪くて出世できなかった・・・で終わったら悲惨。
P79 建築をやっていたから「これが立体的な三次元系で出てくる」
P88の写真はもしや、あの人形?
マッキンゼー・アンド・カンパニー ディレクター 平野正雄
マッキンゼーは徹底的に人を成功させ、育てる。
P92-93 「インプットの最大化」。
エアバス・ジャパン社長 グレン・S・フクシマ
雑多すぎてまねできないかも。そもそも、エアバス、どうよ。
LVグループ社長 藤井清孝
マッキンゼーから自費留学。全銀行の頭取とサシで会った。すげー
P145 外からやいのやいの言うだけでなく、自分でやりたくなってきた。
SAPで社長を3年。
P150 新しいビジネスではどこがメッカかと考えた。(フクシマ氏の「独占を嫌う」と逆。)
P152 「与えられた運命の中でベストを尽くす。逆説的だけど、選ばない。」
P168 ウェルチの顔を睨み返した。
P173 自信はチャレンジから生まれるから、勇気をもて。
BNPパリバ 在日代表 安田雄典
P193 外資でスワップやデリバティブをやってるのは邦銀にいた日本人。ではなぜ邦銀ではできなかったのか?カルチャーとマネジメントが違うからできる。
P183 リーダーとは無私と夢である。
P194 日本人が尊敬されるのは日本人らしいときだ。
P195 ここ数年明らかに、保守本流の人が外資にきている。そうそう。
P196- 友人の40歳過ぎのフリーターの話が載ってる。
日本エマソン社長 山中信義
P201 自分自身のSWOTを常に2枚持ってる。
P209 ほんの一部の天才を除けば、能力の差は知れてる。要は全力を出せるかどうか。
P213 エマソン役員は平均27-28年は務めていた。
P218 今のグローバルスタンダードはアングロサクソンがリードしている。理由はオプティミズムとリアリスト、寛容性。
・・・「テクノヘゲモニー」的には、時代は技術に応じて移り変わるのかもしれないけど、世界はだんだん狭く小さくなるから、標準化、汎用性、互換性、ということを考えられる人が強くなるのは当然だ。つまりニッチ(これはこれで発展する)ではなくコモディティに近いほうの大量に売れるべきものの話。
BPジャパン社長 脇若英治
P241 日本のトップを目指してもだめ。グローバルトップを目指せ。若い人はとにかく勉強しろ。
P&Gジャパン社長 ラヴィ・チャタベディ
日本は消費者がすぐれた目をもってる。日本企業はイノベーションがうまい。