あさのまさひこ「海洋堂クロニクル」41

なぜか学校で、海洋堂についてケースを書きたいという人がいたので、関連本をゲットして、著者インタビューに同行してみました。それが、これです。

ワンフェスって何?・・・

わたしはオタクな世界には比較的強いのではないかと思ってましたが、甘かった。「まんだらけ」何度か入ったことがあるくらいでは、まだまだやっと入り口です。ワンフェスワンダーフェスティバル)とは、ガレキ(ガレージキット:個人で手作りするフィギュア組み立て、あるいは組み上げキット)版のコミケです。アニメやマンガのキャラを立体にしたものを売りに行くんですね。おもしろいのは、主催者が海洋堂だってところ。以前はエヴァンゲリオンで有名なガイナックスが主催してたんですって。・・・コンテンツ権利保持者が著作権法違反を放置していいのか?という議論が起こったからか、このフェスティバルには「当日版権制度」という、その場で売り切るキットについてだけちゃんと権利者とライセンス契約を締結してロイヤリティを払う仕組みがあって興味深いです。

で、この本全部読むと、海洋堂のすべてがわかる・・・らしい。

深すぎてついていけないけど、私のような、芸術だかなんだか知らないが好きなものは好き、すばらしいものはすばらしい、と思う人間から見ると、この人たちアートってものに偏見をもちすぎです。ボーメさんのフィギュアがカルティエ財団に認められたらいいじゃないですか。法隆寺の仏像の優美な曲線を見ながらわたしは、彼のセーラームーンの髪の流れを思い出しましたよ。こういうfictitiousな女性美を極められる人に、本気で現代の仏像を創って欲しい。

・・・執念すら感じさせる、歴史的な本です。フィギュア職人さんって、ソフトウェアのディベロッパーに似てます。

以上。