フィリップ・コトラー「コトラーのマーケティングマネジメント ミレニアム版」40

タイトルの「コトラーの」っていう部分が冗長で、氷川きよし「きよしのズンドコ節」みたいですね。

そんなことはどうでもいい。とうとう読了しました!本文875ページ。ひとつノルマを果たしたという気分です。

達成感があるかというと、ちょっと違うかな。なぜなら、マーケティングの「バイブル」というより「エンサイクロペディア=百科事典」という感じで、とにかく何でもかんでも書いてある本なので、百科事典を1冊頭からお尻まで通しで読んでしまって、なんかがんばったけど頭のどっかで(バカなことしたなぁ)という意識もある。そんな感じです。

MBA通うヒマがない人は、それでも一通り読んでおくといいと思う。マーケの人やアメリカ本社が言ってくることの意味がだいたいわかるようになります。

たいした複雑なことを言ってるわけじゃないです。知ってれば安心。あと、テレビCMとかキャンペーンとかで、いままで自分という消費者の行動がマーケターにどう見透かされてきたか、種明かしが載っています。

ぜんぶ読んでも面白い本だったよ。内容はとにかく広範で、文章はきわめて平易で読みやすいです。

コトラーって人は、大先生とか権威というべきなんだろうけど、もしかして世界最高のマーケティング・マニア?自説をぶつ本ではなくて、現在一般的にみんなが依拠してる名作の、エッセンスというよりポイントをきちんと伝えてる。偏ったところがないという意味で、いい本だと思います。

内容についてここで書いてもしょうがないんだけど、マクロ環境、購買行動、競争戦略、市場セグメント、製品ライフサイクルとポジショニング、開発、グローバルマーケティング・・・等々、なんていうか「全部」載ってます。ただ、本当のところ、おそらくPEST分析とかSWOT分析とかは、実際にやってみないとできるようにはならないと、授業を受講しながら実感してます。マーケターになりたい人は、やっぱり本だけじゃなくて実践する必要があると思う。

ミレニアム版のミレニアム版たるゆえんとして、ページ欄外に「ミレニアムコラム」が載ってるのですが、これは読む価値ないです。「ロンドンのミレニアムドームではxxxまでxxxイベントをやってるよ!」とか。なんでこんなつまらないものを追加したんだろう。ちなみに、英語版は毎年更新されているらしいけど、日本語訳がついていかないようです。

うーむ、大著を半年以上かけてやっと読み終えたので、なにか大きなことを書こうと思ったけど、むりだった。

参考: http://www.torayauiro.co.jp/teiban/11toratorayaki.html (しつこい)