芥川賞受賞作の「パークライフ」が好きで、「悪人」も泣けたし「さよなら渓谷」も「横道世之介」もよかった。図書館に寄ったので、思いついてこの作家の本を2冊借りてきたわけですが。
この本は、良くも悪くもないという印象です。
離婚しかかってる夫婦や、亀裂が入り始めたばかりの夫婦や、不倫カップルや、高校生のこどものようなカップルが、温泉に行くだの行かないだのと話を繰り広げます。
どの男女も一様に、男と女の会話がかみ合いません。幸せそうに見えてもどこか空虚。冷めきっているような中に愛がある。という、一筋縄ではいかない男女を描いてリアリティがあるのですが、短編集なので短いスキットの断片だけで、そこから壮大な人生を思わせるわけではありません。
やっぱりちゃんと長編を読んでみるべきかな。