川村元気「億男」501冊目

ヒットメーカーの小説、さすがの面白さ。

ただ、人気漫画のあらすじを読んだような気持ちで、理解できるし面白いけど、きれいにまとまりすぎていて心に引っかかるものがなかったです。「シェルタリング・スカイ」?と思われる北アフリカが舞台の映画が出てくるのとかマニアっぽいけど、グッとくる!というには、癖とか匂いみたいなものを感じない。そして、意外に「教訓」がちゃんと示されているところが、クラシックな印象。芸術家じゃなくて、全体を見渡して弱点を補強して最強の作品を作る「プロデューサー」っていう才能のあふれてる人なんだな、と思いました。一般読者の私ごときがいうことじゃないけど。