美しい本です。赤が基調の、若い貴婦人とユニコーンをあしらった一式のタペストリーと、初期のフェミニストと言われるジョルジュ・サンド。史実をベースに原田マハが創作した物語と、ジョルジュ・サンド自身が残した文章で構成されています。
ジョルジュ・サンドって誰だっけ?というくらいの知識しかない私がWikipediaを見ても、与謝野晶子か瀬戸内寂聴みたいな情熱的な文筆家なんだなと思う程度ですが、意外と面白く読めました。誰にも解説・解読されずに保存されてきたミステリアスなタペストリーと情熱的な女性の存在。だいいち描かれているのが処女性(喪失)の象徴であるユニコーンなので、神秘的な世界が広がってしまいます。
それにしても、見れば見るほど見入ってしまう不思議なタペストリーです…。