竹宮惠子「少年の名はジルベール」797冊目

これが竹宮惠子サイドの物語。

先に萩尾望都の「一度きりの大泉の話」を読んで、多分竹宮惠子も辛かったんだろうなと思って、読んでみました。

みんな懸命に描き続けてきたんだなぁ。と、しんみりと感じ入るしかないですね。追いつめられることが続くとおかしくなってしまって、こもってしまうこともあるし、吠えてしまうこともある。うまく自分をコントロールできる人を尊敬するけど、私はいまだにうまくやれずに嫌われたり心配や迷惑をかけることが多い。自分も傷ついてきたけど、必要以上に人を傷つけてきたんじゃないかとも思う。自分のことを説明したり伝えたりすることが、うまくできないんだ。

二人とも、苦しい思いを吐き出してくれてありがとう、という気持ちです。作品から入って、神のように見えていた彼女たちの痛みを知ってわかちあって、少し救われる人もたくさんいるはずだから…。