<ネタバレあり>
図書館で4か月順番を待ったけど、まったく順番が進まないのでとうとう買いました。複雑かつ広がりのある、SFでありながら少女まんがの美とロマンを備えた名作でした。
去年マリエンバートで はもちろんのこと、惑星ソラリスと、ミッドサマーと思い出す映画がたくさんあって、言ってしまえば「盛り盛り」だ。それから、結末に向けてすごく大きな動き、天地がひっくり返るようなことが起こるんだけど、それについては科学的っぽい説明が少なくて、気持ちの上で持っていかれる感じの構成になってる。それが少女まんが的なのかもしれない。
この作品に関していえば、「自分たちが誰かの夢なのかもしれない」という、自我や存在意義をつかさどる大前提のゆらぎが、崩れてそのまま大団円に向かうところから、読者自身もグラグラしてくるんだけど、それでいいのだ、と受け入れるしかない。
でも、このモヤっと感が余韻でもあって、自分自身が半ば”青羽”の世界に取り込まれたような状態のままってことなのかも…。
じっくり、浸れました。