2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ウィリアム・バロウズ「ゴースト」348冊目

「裸のランチ」はあんまりよくわからなかったけど、これは面白かった。といっても、わかったとは言えないし、どこがどう面白かったか説明するのも難しい。奔放だけど知的でなんか学術的っぽくもあるイマジネーション。みたいな感じ。ただ、「自由」は好きだ…

カズオ・イシグロ「遠い山なみの光」347冊目

すばらしい小説だった。たぶん原文も良いんだけど、翻訳がとても自然で(少し古めかしい日本語。それこそ小津安二郎の映画みたいな)、なんの違和感もなく読めた。池澤夏樹の解説もすばらしい。作品も深いけど解説はさらに深い。池澤は、イシグロの作品は普…

ウィリアム・バロウズ「裸のランチ」346冊目

だいぶ時間が空いたけど、「オン・ザ・ロード」「吠える」に続いてビート派を読んでみました。というか飛ばし読みしただけ。ユニシスの前身のバロウズ社の社長の息子だったんだ、この人。とんでもない放蕩ボンボンだなぁ。でもこういう人が思いの外長生きし…

魯迅「阿Q正伝」345冊目

なぜ今魯迅?…とくに理由はないんだけど。借りてきた文庫本には、表題の「阿Q正伝」、「狂人日記」などの短編がたくさん収録されています。改めて読んでみて…この2作の主人公が、あまりにもダメダメでちょっと驚いた。ニューシネマか何かか?阿Qは貧乏で字…

アメリー・ノートン「チューブな形而上学」344冊目

やっぱりこの人は面白い。ベルギーといえばビールとチョコレートくらいしか知らないけど、日本に生まれ育って自分を日本人だと思っていた、気が強いベルギー人の幼児がいたなんて、愉快でたまりません。やっぱりベルギー行こう。作者にも、いつかどこかでお…

アメリー・ノトン「幽閉」343冊目

「殺人者の健康法」「畏れ慄いて」「午後4時の男」を過去に読んで衝撃を受けたこの作家ですが、その後またいくつか翻訳されているようなので図書館で借りてきました。 彼女がどれだけイジワルな作家か、もうわかっているつもりなので、きれいなハッピーエン…

羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」342冊目

これも文春で読んだだけですが。 「火花」と対比して読むと面白い。こっちに出てくる人たちは、一見みんな腹黒い。人の顔色を伺ったり、腹を探ったりばかりしてる。その実どこか誠実でまっすぐなんだけど。そして、こちらは書き慣れていてこなれてる。楽しく…

又吉直樹「火花」341冊目

文藝春秋を買っただけだけど、感想書きます。 すごく熱いものを感じさせる作品で才能あると思うけど、内向的すぎるのと、オチが一般の人から見るとちょっと突拍子ない感じじゃないかな、と思いました。でも、次も読みたいと思うし、プロの作家としてやってい…