小島毬奈「国境なき助産師が行く」494冊目

国境なき医師団で何度も活動を経験した日本の助産師の女性が、地中海の難民を救助する船への募金を募っているのを、どこで見たんだろう?テレビで難民船にぎゅうぎゅう詰めの人たちの映像を繰り返し見ていたので、何とかしなければ!と、いくばくかの寄付をしたらこの本が送られてきました。
そのときは寄付をしたことも忘れていて、読み始めたら冒頭は日本の医療業界の人間関係の問題とかが書かれていて、つまらない本だわと一度は読むのをやめてしまいました。改めて手に取って続きを読み始めたら、まるで自分が彼女になって、世界中の厳しい環境に飛び込んだような本でした。今は、そりゃーこれほどの経験をすれば、日本の看護業界の女どうしのあれこれなんて、くだらなく思えても当然だ、と思います。最後まで読み終わらなければ、こんんな気持ちにはならなかったかもしれないけど。

 

小島さんはとてもパワフルで、きっと日本の小さい場所ではエネルギーを持て余してたんじゃないかしら。
戸惑いながらも毎日、パキスタンで、イラクで、地中海の船上で、南スーダンでと奮闘する姿は実にたくましい。
彼女が活動のかたわら募金活動まで行ってくれていることに大きな拍手を送りつつ、たくさん努力して自分のパワーで人を助けられる人に私もなりたいと思います。