原田マハ「楽園のカンヴァス」810冊目

面白かった。先を急いで読み切った。あまりにも、うまいこと偶然や運命が重なったり、関係者の情熱がすごすぎたりするし、やけにロマンチックすぎたりするところは、面白い少女マンガみたいな感じです。世の中には、本当らしさを追求して、読む人に心の痛みを与えて現実を直視させる作品と、読んでいる間は願望を成就させてくれて、意外性があっても快適な結末に落とし込んでくれる作品がある。これは後者なのだ、原田マハ作品はいつも。

私はあとちょっとだけでいいから、「人間は簡単に割り切れないくらい深く複雑だ」と感じさせてくれる部分が欲しかった気もするけど、面白かったからいいか…。