阿津川辰巳「透明人間は密室に潜む」945冊目

面白かった。よくできた、丁寧にメンテされているテーマパークみたいに、楽しさや面白さがこれでもかと詰め込まれています。この人の作品にはこういうワクワク感がある。小さい頃に見ていた推理ドラマや怪奇小説のような、理屈では説明できないこの感じ。こういう楽しみをもたらせてくれる作家ってほんと貴重。

練りに練った中編が4つ。透明人間とか聴覚が人並外れた人が登場したり、アイドル関連の殺人をマニアックな裁判員たちが審議したり、謎解きゲームと客船ミステリーが合体したり。なんか切り口が新しい。

透明人間とかは、設定上どうやっても突っ込みどころだらけになるので、そこは抑えて読むべし。

また読みます。