ジョン・キム「媚びない人生」273冊目

Twitterでこの著者をフォローしていたら、この本の宣伝が次から次へと流れてきて、まぁ読んでみるかなという気になりました。

この本は、慶應での著者のゼミで、卒業していく学生たちに向けて行った講義の内容をもとに書かれたものだそうです。“空気”に流されたりしないで自分を確立していけ、といった、生きることに関する指針を、まだ自己がグラグラしている若い人たちに与える本です。

“ビジネス書”ではないし、自己啓発よりも根っこに近いところの話をしていて、よくどっかの社長が定年退職後に書く人生指南書のようです。なかなか先輩や上司は教えてくれない、世の中の本当のことを伝えようとしている本。

徹底的に悩みぬけ、まずは与えられた仕事を死ぬほど真剣にやれ、いまいる世界のルールはしょせん世界中で通用するものではないから、自分を信じられるようになれ、etc。生き方の本なので、一般的で漠然とした内容ではあるけど、学校とか家とか会社とかで、なにかの価値観に縛られてガチガチになってしまっている人にとっては突破口を見つけるきっかけになるかもしれません。

差別やいじめ、ひいき、ねたみ…とかの問題って、未熟さからくる部分が大きくて、子どもの世界の中ですでに経験していることが多いと思います。これから社会に出ていこうとする子たちには、外の世界が今よりもっと厳しく見えて委縮している子も多いはず。先輩や上司がそういう恐れを理解して、彼らに本当に必要なアドバイスをしてあげるのは、日々の仕事に追われていると難しい。だからそういう年代の子たちにとってはよい本だと思います。

しかしこれを読んで人生の重要な指針を得るオトナってのは、いるだろうけどなんか情けないですね…。ひとの人生を生きちゃだめです。人生は一度しかないので、悔いのないようにみんな自分らしさを見つけていきましょう。以上。