川上弘美「センセイの鞄」412冊目

いいお話だった。
うんと年上の人を愛するようになるというのが、どういうことか、初めて少しわかった気がする。
「センセイ」というのが、じわじわと味の出てくる人物で、月子さんの感情はどこか受け身。
高校卒業後10年以上たって再会し、しょっちゅう飲み屋で一緒になりながら、付き合い始めるまで2年。”スローフード”とか”スローライフ”の仲間の、遠い世界の出来事のように思えます。

女性が書いた小説だから、月子さんという人物造形はきっとリアリティのあるものなんだろうけど、私から見ると自分と全く共通点がないな〜という感じです。ちょっと憧れる。