ジム・ロジャーズ「冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見」507冊目

面白い!
この本を20歳で読んでたら人生変わったかも?
いや、若いころは臆病で貧乏で病弱だったから、別世界のおはなしだと思っただろうな。
定年が見えてきて、この先の“余生”に思いをはせる年齢になったから初めて、この本の面白さが実感できるのかもしれません。

ジム・ロジャーズという人は「世界三大投資家」と言われているそうで、そういえば私も近著を読んだことがあったんだけど、この本を読むかぎり前人未到の地を旅するフロンティアで冒険家です。紛争地帯だろうが、地元の人もおそれをなすような国境越えだろうが、人懐こい笑顔とコミュ力(っていうのか?)と財力ですべて乗り切っていきます。乗り切っていけてなかったら今この世にはいません!
投資を「下がり切っているところに投資して、持ち続ける」というポリシーで行う上で、戦争が終わったばかりの国は何よりも関心のある場所。だからって行くか!

彼の素敵なところは、悲惨な戦場に刺激を求めて行ったり、自分を地元の人たちより上に見て助けに行ったりしないところ。そういう人たちのパワーも世の中には必要だけど、ただ歩いて地球のどこまでも行くフラットな感覚がすごく好きです。というか、自分の感覚と同じですごく共感します。この人と私、誕生日が同じなんだけど、関係あるかしら?(笑)

投資といっても現地に出向いて口座を開くなんてことまで私には到底できないけど、できるものなら・・・。
この間行ったカンボジアで地元の人たちの勤勉さや誠実さを見て、絶対ここには大きな未来があると実感しました。あの人たちの事業に投資できるものならしたいです。・・・そういうことですよね、多分。

違う部分があるとすれば、当然なんだけど、彼の軸はすごくアメリカ的で、為替も含めた金銭的価値を見積もることが最大の関心だということ。どういうことかというと、インドのハイウェイでバイクや自転車や牛やラクダが一緒に走っているのを見て、私は手をたたいて大喜びし、彼はこの国に投資してもダメだとがっかりするということ。
私は投資にも興味があるけど、それよりもっと、知らないものに出会えること、自分が楽しむことのほうを重く感じてるってことですね。(だからお金持ちになれないのか!)

いろんな違いがあるのも、いいんです。だから面白いんです。
あとどれくらい旅行できるだろう。あとどれくらい、ドキドキワクワクできるかな。
そんな気持ちになれる本ってすごい。