ある人からこれの原著(英語版)をいただいたんだけど、インド哲学の用語が難しくて、和訳を借りてきてしまいました。
この本はヨガナンダさんの生まれ育ち、ヨギとしての修行の記録なんだけど、生まれてからずっと、わりと頻繁に、奇跡に出会います。コレラで死にかけていた自分がよみがえったり、手からバラの香りがするようになったり、身体が浮かんでいる人がいたり。あらゆることを予言したり人の心を読めるのなんてまるで当たり前みたいです。
私、こういう奇跡ってある程度起こるもんなんじゃないかと思ってるんだけど、それにしてもこの頻度の高さは何でしょう。もともとこの時代のカルカッタ近郊では異次元への扉が開いてたんだろうか…特殊な高僧が一人でもそこにいると、連鎖的に奇跡が起こるんだろうか。彼を研究しようとする欧米の科学者が彼の生涯を描いたとしたら、不思議な超能力者の能力を科学的に解明しようとする本になったんじゃないかな。
この中に女性の異能力者が数人取り上げられています。テレーゼ・ノイマンは、毎週決まった日にイエス・キリストが磔になった際の手足の釘の跡が現れ、いばらの冠に傷つけられた頭と目から出血します。かつ彼女は、祭壇に備えられた小さな餅以外の何も口にしない「不食者」でした。彼女は「修行」らしい修行は何もせず、ある日この状態になり、人々のケガや病気を癒してあげる能力も持つようになったとのこと。もう一人、大食いをたしなめられたため「何も食べないようになりたい」と神に強く祈ってその能力を得たギリバラという女性もいます。彼女は他の人に対して何かすることはなく、食べずに50年以上生きていられた以外に何か行ったという訳ではないようです。苦行を何十年も続けて透視能力を身に着ける聖者たちと比べて、彼女たちはある日突然啓示のように能力を持つようになってるのが興味深いです。
比較対象になるかどうかわからないけど、語学についていうと、英語だけでも大変なのに他の言語まで学ぶなんて無理!と思ってシンガポールに行くと「4か国語くらいみんな話せるよ」と言われて、そこで初めて「やればできるかも」と思って勉強を始めたら3か国語くらいしゃべれるようになった…って話もあるしな。これだけ聖人(あるいは超能力者)がわんさかいるところで育つと、異能を達成できるのかな。自己催眠で促進されるようなものなら、多分人間誰にでも知られていない能力があるかもしれない?
今既に解明されてること以外に、まだ知られていない法則を探り続けるのが科学だと思うし、私たちが存在してたり世界が(たくさんトラブルがあるけど)回っていること自体がプラスのなにか大きなエネルギー(神の愛とよぶ人もいる)だと思うので、まだ知らない不思議だってあるのかも…。
(2014年8月20日第1版30刷発行 4200円)